改正前の特許法第85条第1項第2号は特許権者が損害賠償を請求する時、侵害者が侵害行為により得た利益を損害として計算することができると規定していた。侵害者がそのコストまたは必要な費用について立証できない場合、当該物品を販売して得た収入の全部をその所得利益とすべきである。従って、もし侵害者がそのコストまたは必要な費用について立証できない場合、財政部の同業利潤基準表の売上総利益率、売上高純利益率をもって侵害者が得た利益を計算してはならない。
2014-09-29 2013年
■ 判決分類:特許権
I 改正前の特許法第85条第1項第2号は特許権者が損害賠償を請求する時、侵害者が侵害行為により得た利益を損害として計算することができると規定していた。侵害者がそのコストまたは必要な費用について立証できない場合、当該物品を販売して得た収入の全部をその所得利益とすべきである。従って、もし侵害者がそのコストまたは必要な費用について立証できない場合、財政部の同業利潤基準表の売上総利益率、売上高純利益率をもって侵害者が得た利益を計算してはならない。
II 判決内容の要約
最高裁判所民事判決
【裁判番号】102年度台上字第944号
【裁判期日】2013年5月22日
【裁判事由】特許権侵害に関する財産権争議等
上訴人 巨擘科技股份有限公司
被上訴人 Koninklijke Philips Electronics N.V.
上記当事者間における特許権侵害に関する財産権争議事件につき、上訴人が2013年1月3日付知的財産裁判所第二審判決(100年度民專上字第27号)に対し、上訴を提起したが、本裁判所の判決は以下の通りである。:
主文
原判決の仮執行部分を除き、他の部分を破棄し、知的財産裁判所に差し戻す。
四 判決理由の要約
1.被上訴人(原告)が上訴人(被告)の法定代理人に連帯賠償責任を負うよう請求したことは、消滅時効をこえたか否か?
会社法第23条第2項に定められている連帯賠償責任は、侵害行為上の責任ではないので、消滅時効は、民法第125条規定の15年時効期間を適用すべきである。本件被上訴人は2002年6月5日に本件訴訟を提起したので、損害賠償請求期間は2000年3月22日から2002年6月4日までであり、邱丕良が当該期間の巨擘公司の法定代理人であったことは、原審で合法的に確定された事実である。しかし原審が、邱丕良が負う連帯賠償責任の消滅時効期間を15年と認定したのに、巨擘公司による時効の抗弁を以って、被上訴人は2000年6月5日から2002年6月4日までの損害賠償を請求できるだけであると認定していることには、当然疑問がある。
2.特許侵害の損害計算について、権利者がもし侵害者が侵害行為によって得た利益について立証できない場合、財政部が公布している同業利潤で計算することができるか否か?
改正前の特許法第85条第1項第2号では、特許権者が損害賠償を請求する時、侵害者が侵害行為により得た利益を損害として計算することができる。侵害者がそのコストまたは必要な費用について立証できない場合、当該物品を販売して得た収入の全部をその所得利益とする。原審では、上訴人が提出した会計師事務所の協議手続執行報告及び意見書は巨擘公司がCD-Rを製造販売するコスト及び必要な費用を立証できないと述べ、上訴人も巨擘公司がCD-Rを製造販売するのに支出したコスト及び必要な費用に関する帳簿等財務資料を提出しておらず、改正前の特許法第85条第1項第2号後段の規定による立証をしていないと認定しているのに、あえて財政部の同業利潤基準表の売上総利益率、売上高純利益率により巨擘公司が得た利益を計算したことには、明らかに理由の矛盾という違法がある。上訴要旨が、原判決が法令に違背したと指摘し、棄却を求めたことに、理由がないわけではない。
本件の上訴には理由がある。民事訴訟法第477条第1項、第478条第2項により、主文の通り判決する。