AUO、群創光電がCESへ　車載用TFT液晶ディスプレイ技術を披露

　米国コンシューマー・エレクトロニクス・ショー（CES 2024）が2024年1月9日に開催された。液晶パネル製造の大手メーカーAUO（友達光電股份有限公司）もCESに初登場し、業界をリードする車載用HMIディスプレイに関して一連の自動車ソリューションを披露した。それはマイクロLED究極ディスプレイ技術を含め、自動車用のスマートコックピットを創出し、人と機械のインタラクティブ性のある多元的な応用を拡充するものだ。一方、群創光電（Innolux）の子会社CarUXは、世界初のプライバシーテック及びインビシビュー・ヒドゥンディスプレイ（InvisiView hidden display）などの最新鋭車載用ディスプレイ製品の技術も展示した。
　AUOのCEO柯富仁氏は、AUOがCESで展示する一連の車載用ディスプレイのソリューションは、自動車コックピットデザインに新たな概念を刺激するものであるため、CES 2024イノベーションアワードを受賞し、新たなドライブ体験と移動サービスを始動させたと述べた。
　ディスプレイは運転のために生まれたものだという過去の考え方から脱却し、AUOは多目的な車載用HMIディスプレイソリューションをつくり出し、前部座席ダッシュボード上側のAピラーからAピラーまでの広い曲面を一体化するAmLED技術ディスプレイのソリューションを含め、内蔵レンズ及びセンサーエレメントを運用することでアプリケーションを新たにし、運転席と助手席の乗車及びエンタテインメント情報を繋げた。また、助手席のモニターに自動スクリーンプライバシーモードを搭載することで、運転手の注意力散漫を避けることができる。
　2024年、AUOは、透明度の高いマイクロLEDディスプレイを自動車のサイドウィンドウに統合し、タッチ機能も搭載してエンターテイメントも楽しめ、オンライン会議も行えて、安全運転の警告情報が表示される「インタラクティブ・トランスペアレント・ウィンドウ（Interactive Transparent Window）」などを含むマイクロLED技術を車載用ディスプレイに導入した。「ローラブル・リアシート・エンタテインメント・システム（Rollable RSE）」のディスプレイは、マイクロLEDが巻き込めて、曲げられるという優位性を運用することで、乗客がディスプレイの操作から離れる時に、それを巻き込んで前部座席のシートバックに隠すことができる。同時に、AUOは車室の各方面の空間アプリケーションも含め、マイクロLEDディスプレイとセンシング技術も統合している。AUOはまた、ハンドルグリップにも隠しスイッチを取り付け、「直感的ステアリングタッチディスプレイ（Intuitive Steering Wheel Touch Display）」をつくり、フロントガラスに設置した「没入型デジタル環境パノラマヘッドアップディスプレイ（Immersive Panoramic HUD）」と連動させている。それを「ブレンディッドHMIサーフェス（Blended HMI Surface）」と統合し、内装トリムと組み合わせることで異なる質感を表現することができ、ディスプレイを内装トリムに融合させ、ディスプレイが機能操作の際にのみ表れるようにした。
　群創光電の社長兼CEO洪進揚氏は、CarUXは従来のディスプレイの制限超越に取り組んでおり、大型インフォメーションディスプレイ（LID）の核心的デザイン理念を出発点として、利用者体験を重視し、車内空間のカスタマイゼーションというデザイン理念を体現できるよう、15から55インチの一連の車用ディスプレイを提供していると語り、それは、車室のデジタル化を通じて更に豊富なエンターテイメント及び情報サービスを提供するためであると述べた。
　CarUXの車載用ディスプレイ製品の外観造形はいずれもアーチ形のデザインで、様々な車型にシームレスに溶け込むことができる。各製品にはいずれも極めて低い反射率、高輝度、高コントラスト、高色域及び高速応答時間を含む特徴があるのみならず、AM MiniLEDと車用MicroLED技術も運用している。更に、世界初のプライバシーテック及びインビシビュー・ヒドゥンディスプレイなどの最新鋭車載用ディスプレイ製品の技術も展示し、助手席の人がハイエンドのデジタルエンターテイメントを楽しめるようにしたほか、運転手の注意力散漫による危険運転も防ぐようにしている。また、世界初のインビシビュー・木目ヒドゥンディスプレイ、透明革製ディスプレイは、ディスプレイを内装に融合させることで、インタラクティブ使用時にのみ必要な画像と情報を表示し、インビジブル効果を達成している。（2024年1月）