Klook副総監に前勤務先KKdayの営業秘密を窃取した疑い、3人を起訴

J240118X4・J240117X4 2024年2月号(J294)

 有名な旅行会社KKdayで産品経理(プロダクトマネージャー)として働いていた陳鈞暘が競合相手であるKlookに移籍して資深副総監(シニアアシスタントディレクター)に就任したが、KKdayの内部資料とシステムの欠陥を収集して、Klookの陳柏安と孫儀芬に提供したとして、台北地方検察署は営業秘密法違反等の疑いで陳等3人を起訴した。
 検察及び調査局が調査したところ、陳鈞暘はKKday在籍期間に同社とKlookが同業競合関係にあり、KKdayサプライヤのシステムバックエンドにはKKdayが対外的に販売した商品の品目、数量、販売時期、コスト、注文価格及び総額、注文分析等の、秘密性(非公知性)と経済価値を有する営業秘密資料が保存されていることを知っており、前勤務先のシステムの欠陥、社員ID及びデフォルトパスワードを陳柏安と孫儀芬に提供した疑いがある。
 陳柏安と孫儀芬の2人は陳鈞暘からKKdayサプライヤのシステムバックエンドのIDとデフォルトパスワードを取得した後、2021年1月11日からKKdayサプライヤのバックエンドシステムに違法にログインして、関連の営業秘密資料を窃取し、これに基づいて同社のサプライヤシステムを改善するプロジェクトを策定し、Klookの上層部にプレゼンを行った疑いがある。
 KKdayが2021年11月30日に内部のデータセキュリティチェックを行ったところ、提携企業名等の営業秘密が窃取されていることを発見した。多方面からの調査を行った後、2022年4月法務部調査局の資安工作站(Cyber Security Investigation Office)に告発し、資安工作站とKKdayが協力して、同社内部システムのオンライン記録を精査したところ、前従業員である陳鈞暘が関わっていることがわかったため、同年9月に搜索及び呼び出しを行った。
 検察は、陳鈞暘については営業秘密法第13条の1第1項第1号に定める不正な方法により営業秘密を取得して使用した等の罪を犯した疑い、陳柏安と孫儀芬は刑法第358条に定める正当な理由なく、他人のアカウント、パスワードを入力してコンピュータシステムに侵入した罪を犯した疑いがあると認定し、台北地方検察署は捜査を終結して、法に基づき公訴を提起した。(2024年1月)

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor