テレビチャンネルの著作権を侵害、台湾安博の創業者に懲役4年の判決

J240227Y3 2024年3月号(J295)

 台湾安博企業有限公司(Unblocktech Taiwan Co., Ltd.、以下「台湾安博」)の責任者、黄博詮は中国の映像違法複製業者と共謀し、事情を知らない友人を利用して、愛爾達頻道(Elta.TV)、緯來(Videoland)、八大(GTV)等オーバー・ザ・トップ・メディアサービス(OTT)業者の会員IDを取得させ、さらに上記チャンネルの著作物の信号を窃取、複製して、海外のインターネットサーバにアップロードするとともに、セットトップボックス(STB)を消費者に販売して無料視聴を提供したたため、検察は映像著作物の違法複製、公開送信による著作権法違反で黄博詮を起訴した。
 警察と検察の調査によると、この映像違法複製業者は「Mr.許」を名乗る中国犯罪グループ等のメンバーから構成されており、黄博詮は2017年に「Mr.許」と共に台湾安博等企業の名義で、ハードウェアであるSTBを国家通訊伝播委員会、経済部標準局が委託する検査機関に送って検査に合格した後、合格ラベル、商品検査マーク等を「Mr.許」に提供し、「Mr.許」が合格ラベルをSTB「安博盒子」に表示し、黄博銓とライセンス契約を結んで輸入手続きをした代理店に「安博盒子」を出荷し、代理店がさらに販売店又は小売店に転売して利益を上げ、黄博銓はライセンス料を受け取ることで利益を得た。また友人名義で台湾OTT業者の会員IDを取得し、「Mr.許」がそのIDで会員向けの信号を窃取し、「安博盒子」にその映像コンテンツを送信し、著作財産権を侵害した。
 新北地方裁判所は2024年2月27日に以下のような判決を下した:「共同で販売を目的として無断で複製することにより他人の著作財産権を侵害する」という著作権法違反により黄博銓を4年の懲役に処し、差し押さえられていない犯罪による利得200万新台湾ドル等を没収する。台湾安博公司に罰金100万台湾ドルを科す。さらに付帯民事賠償部分については、黄博銓と台湾安博公司に連帯で、テレビ会社18社(53チャンネル)に対して、1チャンネル当たり250万新台湾ドル、合計1億3250新台湾ドルの損害賠償を支払うよう命じる。全件はさらに上訴できる。(2024年2月)

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