知的財産裁判所が「推推指」商標の識別性を認める判決
J170219Y2 | 2017年3月号(J211) 前のぺージに戻る    
    瑪麗蓮国際実業有限公司(Marilyn Underwear International Co., Ltd.、以下「瑪麗蓮公司」)は維娜斯国際有限公司(Venus’ Secret Company Limited、以下「維娜斯公司」)の「推推指」商標が暗示的商標﹙suggestive marks﹚ではなく、記述的商標﹙descriptive marks﹚であり、識別性を有さないため、知的財産局に該商標の登録を取り消すべきであるとして無効審判を請求したが、知的財産局は審理の結果「請求不成立」の審決を下した。瑪麗蓮公司はこれを不服として経済部に行政訴願を請求したが棄却されたため、同じ理由で知的財産裁判所に行政訴訟を提起した。瑪麗蓮公司は、維娜斯公司の「推推指」商標の発音(称呼)と字形(外観)が「推推脂」に類似しており、また「推脂」は美容業界では汎用されている用語であるため、維娜斯公司が「推推指」を商標とすることは、ビジネスにおける公正な競争に影響をもたらすと主張した。
    判決書によると、「推推指」商標は単純な「推」、「推」、「指」という三文字から構成されており、中国語の「推推指」は固有の語彙ではなく、それが有している意味を字典で探すことができない。さらに中国語は表意文字であり、中国語の文字の組合せが固有の語彙ではないときは、文字がそれぞれの意味を含んだり、同じ文字が異なる意味を有したりすることにより、文字と文字が結合すると主観的な理解の違いから、異なる意味が生じる。「推脂」には確かに「脂肪を移動する」という意味があるのに対して、「推指」は「指先で押す」、又は「指で押す」と解釈でき、その意味は「推脂」とは異なる。さらに「推推指」は「推薦する」、「指で押す」と解釈でき、また「推推」は「推」が重なり、「指で押してみる」という意味又は指で押すことを強調する意味を有しており、いずれにせよ「推指」とは異なり、「推脂」とはさらに異なる。
    さらに判決書によると、瑪麗蓮公司が提出した証拠で、多用されるのは「推脂」であり、「推指」又は「推推指」ではなく、「推推指」が美容業界等で汎用されていると証明することはできず、「推推指」商標が矯正下着という商品の品質、機能又はその他の説明を示していると証明することはさらにできない。また、関連の業者が「推推指」の三文字を商品の記述に使用し、商標として使用しなければ、商標法に抵触せず、商標権侵害のおそれはない。よって(知的財産裁判所は)「推推指」商標がビジネスにおける公正な競争に影響をもたらすことはないと認め、瑪麗蓮公司の請求を棄却した。(2017年2月)