彫刻の巨匠、朱銘の贋作を展示・販売した寺に4800万新台湾ドル賠償命令の判決
J170726Y3 | 2017年8月号(J216) 前のぺージに戻る    
 台南の有名な玄空法寺は敷地内に彫刻の巨匠、朱銘氏の「太極」、「郷土」等シリーズ作品と称するブロンズ鋳造彫刻を展示し、3点を5700万新台湾ドルで販売した。朱銘氏は2013年12月にこれらの作品が贋作であることを発見し、玄空法寺を著作権侵害で提訴して損害賠償を請求した。知的財産裁判所は審理した結果、玄空法寺とその開祖である黃○文等に対して朱銘氏に4800万新台湾ドルの賠償金を支払うとともに、公開陳列と販売を中止し、さらに新聞第一面に判決内容を掲載することを命じる判決を下した。
 2013年末、朱銘氏は人づてに玄空法寺で同氏の作品が多数公開陳列されていることを知り、朱銘氏は人員を派遣して証拠を収集した後、陳列されているブロンズ鋳造彫刻が贋作であることを確認した。その後弁護士が警察とともに現地を調査したところ、贋作5点にある朱銘氏の偽落款が削られているのが見つかった。さらに、玄空法寺は2012年2月すでに「太極單鞭下勢」、「太極起式」等の贋作3点を計5700万新台湾ドルで販売していた。朱銘氏は、玄空法寺が著名な
宗教団体であり、社会を教化する機能を発揮すべきところ、彫刻の贋作を頒布して暴利をむさぼり、コレクターの収蔵意欲に影響を与えたと主張した。
 一方、玄空法寺等は、玄空法寺が寄進を受けた物品は数万点に達しており、真贋を鑑定する能力と義務はなく、信徒から寄進された芸術品を敷地内に置き、さらにボランティアの徐○義が寄進物を受け取った際に保証書を付けたもので、玄空法寺は贋作であるとは知らず、頒布又は販売の意図もなかったと主張した。
 知的財産裁判所は審理した結果、購入者は寺から3点の贋作を購入したことを証言しており、さらに贋作の陳列も事実であり、寺側はこれらの彫刻が信徒からの寄進物であると主張しているが、その出所に関する資料を提出しておらず、登録、管理もされておらず、さらに寺側は本物であると確信しているのなら、訴訟に際して落款を削ることはありえないと指摘した。
 裁判官は、玄空法寺が贋作3点を販売しているが、購入者が代金をすべて支払っていることを証明できず、朱銘氏が世界的に著名な芸術家であり、有名な宗教団体である被告の玄空法寺は彫刻が出所不明の贋作であることを知りながら本物と混ぜて販売したことについて1500万新台湾ドル、彫刻13点を陳列したことについては2800新台湾ドル萬元、偽落款で著作者人格権を侵害したことについては500万新台湾ドル、合計4800万新台湾ドルを賠償するよう命じる判決を下した。本件はさらに上訴できる。(2017年7月)