中央研究院が国家衛生研究院と共同で技術成果17項目を発表
J170714Y5 | 2017年8月号(J216) 前のぺージに戻る    
 中央研究院(Academia Sinica、以下「中研院」)と国家衛生研究院(National Health Research Institutesm、以下「国衛院」)は2017年7月13日共同で合同技術発表会を開催し、「低分子医薬品」、「オーダーメード医療検査技術」、「タンパク質医薬品」等の3つの技術分野における合計17項目の技術と成果に焦点を当てた。
 中研院は特許の技術移転や育成の分野において10年以上の経験を有する。今回の発表会において9項目が中研院により開発された技術であり、その中にはガン、アルツハイマー病、その他の神経変性疾患に対する治療の新たな機序並びに抗菌ペプチドの研究開発等が含まれ、いずれもトップレベルの研究成果である。
 低分子薬物の技術分野では、中研院化学研究所の李文山グループと国衛院がん研究所が共同開発した「選択的シアル酸転移酵素阻害剤(Selective Sialyltransferase Inhibitors)」が発表された。これは腫瘍の成長を効果的に抑制して、ガン細胞の転移を遅らせることができ、「シアル酸化されたN結合型糖タンパク質(Sialyated N-linked glycoproteins)」の増加がみられるガン患者に新たな治療の選択肢を提供できる。オーダーメード医療検査技術の分野では、中研院原子及び分子科学研究所の廖仲麒グループが開発した「ハイコンテント画像定位タンパク質捕捉システム(OptoP:a pioneering high content cell image-registered protein labeling system defining precise protein identification)」が発表された。これは世界で初めて光学的に(目的タンパク質を定めて)ラベリングすることで特定のタンパク質を捕捉するシステムであり、細胞画像で(目的タンパク質の)定位を行い、ハイコンテンツで高精度なライトガイドラベリング(Light guided labeling)により標識タンパク質を精確に捕捉して成分分析を行うことができ、実験にかかる時間を有効に短縮できる。タンパク質医薬品の研究分野では、中研院ゲノミクス研究センターの呂仁グループが、ヒトの分化した体細胞から間質幹細胞を製作する方法を初めて完成した。わずか6日間で、薬物により70%の転換率を達成でき、臨床的に間質幹細胞を入手するのが困難で数量が不足しているという課題を速やかに解決でき、効率的で安全性の高い細胞治療法を提供でき、さらに組織工学と再生医学にも応用できる。
 国衛院の成果については、「DBPR211」が2型糖尿病、肥満及び非アルコール性脂肪肝を防止する潜在力をそなえており、糖尿病患者にもう一つの選択肢を提供できるほか、糖尿病合併症治療に新たな組合せを提供できる可能性がある。さらに「DBPR116」は特別な機序によりオピオイド受容体を通じて強力な鎮痛効果を達成できるが、モルヒネ類縁薬物の副作用はなく、現存のオピエートより安全性がさらに高い。(2017年7月)