チョコレート商標戦争、「KAISER'S」商標が一審で勝訴
J170930Y2 | 2017年11月号(J219) 前のぺージに戻る    
    米国企業のザ・ハーシー・カンパニー(The Hershey Company)は甘百世食品工業股份有限公司(Taiwan kaiser Foods Industrial Co., Ltd.、以下「甘百世食品公司」)が生産、販売するチョコレート「KAISER'S」がその「HERSHEY'S」商標及び水滴(Misc Design)商標の商標権を侵害しているとして告訴した。知的財産裁判所は「KAISER'S」、「KAISER」と「HERSHEY'S」商標とは類似を構成していないと認定し、ザ・ハーシー・カンパニーに敗訴を言い渡した。さらに上訴できる。
    ザ・ハーシー・カンパニーの主張によると、Google検索エンジンを用いて「水滴巧克力」で画像を検索すると、1ページ目の画像のうち7割が水滴の形をしたチョコレート「KISSES」であり、同社の「水滴商標」の識別性が高いことを証明するものだという。さらに、甘百世食品公司は水滴の形をしたチョコレートの図案を商品の包装上に商品のトレードドレスとして印刷しており、商品上の「KAISER'S」商標は頭文字の「K」を「H」に似せて書き、末尾にも故意に「'S」を加えており、消費者に誤認混同を生じさせ易いため、甘百世食品公司を権利侵害で告訴した。
    一方、甘百世食品公司の主張によると、1977年にはすでに「KAISER'S」、「KAISER」商標登録を出願しており、また頭文字の「K」の印刷は明らかに「H」と異なると識別でき、両商標の外国語の称呼、アルファベットの配列はいずれも「HERSHEY'S」商標とは異なり、さらに「'S」も消費者が商標を識別するための主要な依拠ではない。水滴の形をしたチョコレートはよく見かけられる商品の形態であり、さらにザ・ハーシー・カンパニーは米国と台湾において立体商標権を取得していないため、これを以て甘百世食品公司が権利を侵害しているとはいえない。
    知的財産裁判所は審理の末、「'S」は「の(商品)」という意味であり、英語で汎用される表現方法で、識別性を有さず、「KAISER'S」、「KAISER」は「HERSHEY'S」商標の組み合わされたアルファベット、称呼、観念ともに異なり、商標の色も異なるため、類似は構成しないと認定した。さらに甘百世食品公司の商品は数十年にわたって販売されてきたという事実があり、「KAISER'S」、「KAISER」商標は消費者に一定の程度熟知されており、両商標の登録日はいずれも「HERSHEY'S」より早く、消費者が誤認混同するにいたらないため、ザ・ハーシー・カンパニーの訴えは棄却された。(2017年9月)