大立光電に営業秘密侵害で訴えられた先進光電に15億余万新台湾ドルの賠償命令判決
J171208Y1.J171208Y4 | 2018年1月号(J221) 前のぺージに戻る    
    大立光電股份有限公司(Largan Precision Co.,Ltd.、以下「大立光電」)が先進光電科技股份有限公司(Ability Opto-Electronics Technology Co., Ltd.、以下「先進光電」)を営業秘密侵害等で提訴していた事件について、知的財産裁判所は4年にわたる審理の末、先進光電及び共同被告等に対して大立光電へ合計15億2千余万新台湾ドルを連帯で賠償するよう命じる一審判決を下した。これに対して先進光電は2018年1月15日に、同社がすでに法に基づき上訴を提起したとの重大発表を行った。
    知的財産裁判所は2017年12月7日判決ニュースリリースを公告し、本件の事実及び理由の概要を次のように示した。
    一.当裁判所102年度民営訴字第6号営業秘密損害賠償等事件において、原告の大立光電は訴状にて次のように主張した。原告会社の元従業員であるエンジニア4人が2011年5、6月に次々と被告の先進光電へ転職し、原告の営業秘密技術7項目を窃取して被告先進公司へ持ち込み、被告先進光電によるレンズ自動化生産工程の開発に協力するとともに、その中の一部の技術について経済部知的財産局に実用新案登録を出願して実用新案登録(実用新案M438320号「點膠針頭結構(ディスペンサーニードル構造)」と実用新案M438469号「遮光片送料機構(遮光シート送給機構)」)の許可を得たことにより、原告の営業秘密の内容を公衆の知悉するところとして、原告が所有する著作財産権及び営業秘密を侵害した。原告は被告先進光電及びその代表者である林○和、大立光電元総経理の羅○浚及びエンジニアである鄒○丞、謝○穎、朱○丞、翁○震の4人に対して侵害の排除を請求するほか、上記実用新案2件の実用新案登録出願権及び実用新案権がいずれも原告の所有であることを確認し、さらに被告等に15億2千余万新台湾ドルを連帯で賠償するよう請求した。
    二.当裁判所は2015年10月30日に中間判決を下し、原告が主張する技術7項目すべてが原告の研究開発による営業秘密であること、その中の「接着剤貯蔵装置」について被告等による窃取行為があったと認定できないが、その他の技術内容については被告等に原告の著作財産権及び営業秘密の侵害行為があったことを認定した。
    三.当裁判所は中間判決の後、双方に調停による和解を勧めたが、2016年8月16日の調停が不調に終わったため、損害賠償調査の手続きを続行し、2017年12月6日に最終判決を下した。原告が請求する前述の侵害排除並びに実用新案2件の実用新案登録出願権及び実用新案権が原告の所有であることの確認の部分については、いずれも許可する(「接着剤貯蔵装置」は除く)。損害賠償請求の部分について、当裁判所は原告が本件営業秘密に係る技術を研究開発するため、合計6億余新台湾ドルに上る研究開発費を支出したことを認める。さらに営業秘密は秘密性を一旦失えば、営業秘密所有者が該秘密情報を単独に所有し、使用できる優位性はもはや存在しない。また営業秘密所有者は今後、該秘密情報をいかに頒布又は使用するのかについて完全に制御、防止することができなくなり、営業秘密所有者が該営業秘密のために費やしてきた時間と労力は一瞬にして藻屑と化す。違法な手段で秘密情報を取得した第三者は、相応の代価を支払わずして、他人が努力した研究成果を使用して利益を得ることができる。原告会社のプラスチックレンズ産業における高い市場シェアと同業者を大きく上回る利益等の状況からみて、係争営業秘密は原告会社に巨大な経済価値をもたらすものであり、原告が主張する研究開発費をすでに上回っていると認めるに足る。よって原告が本件営業秘密の研究開発費を以て損害賠償金を算出するよう主張することには理由がある。また被告等は故意に侵害し、その罪状が重大であるため、原告は営業秘密法第13条第2項規定により、3倍の懲罰的損害賠償金、即ち18億余新台湾ドルを請求することができる。原告は訴状において15億2千余万新台湾ドルを請求しており、上記金額を上回っていないため、原告が被告等に15億2千余新台湾ドル全額を連帯で賠償するよう請求することを許可する。(2017年12月)