著作権侵害で、コンピュータゲーム会社に2400万新台湾ドルの賠償命令判決

J190322Y3 2019年4月号(J236)
    智冠科技股份有限公司(Soft-World International Corporation、以下「智冠科技」)は河洛遊戲有限公司(Heluo Games Co., Ltd.、以下「河洛遊戲公司」)が製作したコンピュータゲーム「俠客風雲傳」が智冠科技のゲーム「武林群俠傳」の著作権を侵害している事を発見して告訴していたが、知的財産裁判所は河洛遊戲公司が智冠科技の著作権を侵害していると認定し、判決において河洛遊戲公司及び代表者徐○○に対して2400万新台湾ドルの賠償金支払いを命じ、さらにゲーム「俠客風雲傳」の頒布又は公開送信を継続してはならないとするとともに、新聞第1面に判決主文を1日掲載するよう命じた。本件は上訴できる。
    智冠科技は以下のように主張している。2001年8月に智冠科技のゲーム開発チームに所属する4人の従業員が「武林群俠傳」を開発し、徐○○もその中の1人だった。その後、徐○○は独立して河洛遊戲公司を設立し、2015年7月に「俠客風雲傳」をリリースした。ゲーマーから「俠客風雲傳」のストーリー、操作画面、キャラクター設定等がいずれも「武林群俠傳」と極めて類似しているとの情報を得た。河洛遊戲公司は「俠客風雲傳は武林群俠傳のニューバージョン」という宣伝文句での販促すら行っており、智冠科技は河洛遊戲公司が盗作、改作して智冠科技の著作権を侵害した嫌疑があるため、告訴を提起するものである。
    徐○○は以下のように抗弁した。「俠客風雲傳」をリリースした時、「電玩雙週刊」(訳注:智冠科技が出版するゲーム雑誌)は「新武林群俠傳」というフレーズでゲームを宣伝しており、智冠科技は該ゲームが呈する様相をすでに知っていた。しかも該ゲームの光ディスク、説明書及び包裝箱も智冠科技が代理製造していたが、智冠科技は2017年6月になって始めて提訴している。2年間の損害賠償請求時効はすでに過ぎており、刑事部分も不起訴となっている。さらに「俠客風雲傳」のストーリー、キャラクター、会話等はいずれも「武林群俠傳」より豊富であり、権利を侵害していない。
    知的財産裁判所は調査した結果、2種類のゲームにおけるキャラクターのデザイン又は性格、ストーリー、背景、会話の内容、カンフーの技、さらには武器等にいたるまで、いずれも極めて類似しており、河洛遊戲公司は智冠科技の著作権を侵害していると認定し、河洛遊戲公司が「俠客風雲傳」をリリースして得た利益が合計4859万新台湾ドルである事と、双方が代理販売について約定した利益配分とを考慮して、河洛遊戲公司及び代表者の徐○○に、智冠科技に対して2400万新台湾ドルを賠償するよう命じる判決を下した。(2019年3月)
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