太平洋SOGO商標権紛争、太平洋崇光公司董事長に無罪確定
J190720Y2 | 2019年8月号(J240) 前のぺージに戻る    
    遠東グループ(Far Eastern Group)が太平洋崇光百貨股份有限公司(Pacific SOGO Department Stores Co., Ltd.、以下「太平洋崇光公司」)の経営権を獲得した後、商標の中の「太平洋」をめぐって豊洋興業股份有限公司(Pacific Department Store Co., Ltd、以下「豊洋公司」)**と紛争が発生し、豊洋公司は太平洋崇光公司の黃晴雯董事長と汪郭鼎松総経理が商標法に違反しているとして告訴していたが、長年にわたる法廷での争いを経て、知的財産裁判所第二審で両被告の無罪が確定した。
    太平洋崇光百貨の経営権をめぐる争いは十数年にわたって絶えることがなく、豊洋公司は、太平洋崇光公司は「太平洋PACIFIC」が豊洋公司の商標であることを知りながら「太平洋SOGO device」商標を使い続けたとして告訴し、台北地方検察署は2017年末に黃晴雯董事長と汪郭鼎松総経理を起訴したが、(2018年12月に)台北地方裁判所は両名に無罪判決を下していた。
    台北地方検察署は上訴を提起した。知的財産裁判所は審理した結果、太平洋崇光公司は「太平洋PACIFIC」商標登録を出願する前にすでに善意の先使用の要件を満たしていたため、同社がその他の地域に分館を開設する際に「太平洋SOGO device」商標を使用し続けたことはいずれも商標権の侵害には該当しないと認定した。
    さらに、2017年3月に日本企業が所有していた「太平洋SOGO device」商標に対する無効審判を巡る行政訴訟判決が確定した後、黃董事長と汪総経理は紛争を回避するために、迅速に太平洋崇光公司が対外的に表示していた「太平洋」に関連する文字をすべて「遠東」に変更しており、知的財産裁判所は、太平洋崇光公司の営業規模と営業上の標識変更に関する時期からみて、進行の怠慢や悪意の遅延という事情はなく、商標侵害の故意もないと認定して、台北地方検察署の上訴を棄却し、両被告の無罪を確定した。(2019年7月)
【訳注】
*:太平洋崇光百貨股份有限公司は1986年太平洋建設股份有限公司(Pacific Construction Co., Ltd.、以下「太平洋建設」)と日本の株式会社そごう(Sogo Co., Ltd.、現在は株式会社そごう・西武、以下「そごう」)の合弁で設立され、その後コーポレート・アイデンティティが「遠東SOGO」と変更されているが、社名は変更されていない。
**:豊洋興業股份有限公司は太平洋建設の子会社で、太平洋百貨を経営している。