10年近い商標権侵害訴訟で、台湾遮熱フィルムメーカーの敗訴確定
J190813Y2 | 2019年9月号(J241) 前のぺージに戻る    
    自動車用遮熱フィルムのブランド「V-KOOL」をめぐって、シンガポールのSOLUTIA SINGAPORE PTE . LTD.(以下「ソルーシア社」)は全統隔熱紙有限公司(LEADER WINDOW FILM CO., LTD.、以下「全統」)を相手取り商標法違反で提訴していた。一方、全統は自社こそが善意の先使用者であり、他人の商標権の効力による制約を受けないと主張していた。ソルーシア社は民事で損害賠償金525万新台湾ドルの支払いを請求していたが、このたび三審を経て勝訴が確定した。
    ソルーシア社は次のように主張していた。1996年に台湾で(V-KOOL商標を)登録し、総代理店である台湾維固股份有限公司(V-KOOL (TAIWAN) LTD.)を通じて販売したが、海外でこの商標を先に使用し、使用はすでに長い年月にわたっており、知名度を有する著名商標である。ところが全統は剽窃して消費者を混同させ、商標権を侵害したほか、取引秩序に影響を与えた。
    一方、全統は次のように主張していた。1991年には「V-KOOL」商標を遮熱フィルムに使用しており、刑事前件の確定判決において、全統は「V-KOOL」商標の善意の先使用者であり、継続使用できると認定されている。1995年の見積書も提出して、ソルーシア社が台湾で商標を登録する前に商標を先使用していたことを証明しており、決して剽窃ではない。
    知的財産裁判所は見積書の詳細を斟酌したほか、ソルーシア社が提出したメールから全統が1996年6月より前に中国地区と台湾地区の代理店になれないかとの問合せをしていることがわかり、全統が「V-KOOL」商標を知らずに善意の使用をしたものではないことは明らかだとして、善意の先使用が成立する余地はないと認定し、全統敗訴の判決を下した。本件は最高裁判所に上告されたが、上告は棄却されて判決が確定された。(2019年8月)