地名を含む眼鏡の商標、知的財産裁判所は登録不許可の判決
J190830Y2 | 2019年10月号(J242) 前のぺージに戻る    
    得恩堂眼鏡有限公司(Grace Optical Co., Ltd.、以下「得恩堂公司」)は2018年2月26日に「BOY LONDON」を以て知的財産局に商標登録を出願し、知的財産局が審査した結果、当該商標の図案が公衆にその商標の性質、品質又は産地について誤認、誤信させるおそれがあるため、登録を許可することはできないと査定した。得恩堂公司はこれを不服として、行政訴願を提起したが経済部に棄却されたため、さらに知的財産裁判所に行政訴訟を提起していたが、先日、知的財産裁判所は得恩堂公司の訴えを棄却した。
    得恩堂公司は以下のように主張していた。当該商標は「BOY LONDON」であって、「LONDON BOY」ではなく、その文言上の意味は「男子ロンドン」(ロンドンという名前の男子)であって、「ロンドン男子」(ロンドンの男子)ではない。消費者が熟知、認識するのは商標の全体であるため、「BOY LONDON」商標は消費者に本件商標を表示した商品の産地がロンドンであると誤認、誤信させることはない。さらに、得恩堂公司が「BOY LONDON」商標を使用して以来、消費者から商品表示が事実ではないと指摘されたことはなく、またその他競合する同業者から公平交易委員会(訳注:日本の公正取引委員会に相当)に対して得恩堂公司が「BOY LONDON」商標を使用して不正競争に従事していると告発されたこともない。
    さらに得恩堂公司は、次のように主張した。当該公司はメガネという商品とメガネ加工(訳註:視力測定、フレーム選定、レンズ選定等を含む)等の役務を提供する有名企業であり、1965年に設立されて以来、台湾のメガネ市場において確固たる地位を築いている。当該公司が使用している「羅密歐BOY LONDON」商標は1991年にはすでに登録されており、消費者はすでに「BOY LONDON」が得恩堂公司の使用する商標であることを知っている。さらに市場にはその他の商品の商標に「TOKYO」、「SEOUL」、「Wellington」等の文字が含まれているものがあるが、その商品は日本の東京、韓国のソウル、ニュージーランドのウェリントンから来たものではなく、知的財産局は登録を許可している。得恩堂公司の「BOY LONDON」商標だけが登録できないのは明らかに平等原則に反している。
    知的財産裁判所は判決書にて次のように指摘している。「LONDON」は人名としての用法があるが一般的に使用されているものではなく、都市名と比較すると、明らかに多くの人が「LONDON」から直感的に連想するのは英国の首都であり、人名ではない。よってなおロンドンの意味に強く指向している。「BOY LONDON」商標は「LONDON」の前に「BOY」を付けているが、全体的に観察すると、消費者にロンドンから来た、またはロンドンと関連する商品または役務であると思わせる。さらに得恩堂公司が例に挙げている「TOKYO」、「SEOUL」、「Wellington」等の文字を含む商標が登録を許可されていることについては、各商標の名称及び使用を指定する商品又は役務が同じではなく、個別の事実及び証拠の様態における違いによって、それぞれの商標識別性の有無及び強弱、公衆が誤認、誤信する可能性の大きさ等の種々の要素について、判断結果が自ずと異なる。(2019年8月)