実用新案「ディスペンサーニードルヘッド構造」の無効審判訴訟で、大立光電の勝訴確定
J200213Y1 | 2020年3月号(J247) 前のぺージに戻る    
    最高行政裁判所は109年度判字第69号判決に係る盧O中、経済部知的財産局と大立光電との間の実用新案無効審判訴訟についてニュースリリースを発表した。
先進光電科技股份有限公司(Ability opto-Electronics Technology)は2012年4月18日に「ディスペンサーニードルヘッド構造(原文:「點膠針頭結構」)」(訳注:登録証番号はM438320)について経済部知的財産局に対して実用新案出願を行い、知的財産局は2012年7月9日に許可し、登録証を交付した。盧O中は2014年8月14日に当該実用新案について進歩性欠如を理由として無効審判を請求した。知的財産局は「無効審判請求は成立し、登録を取り消す」との処分を下した。その後、大立光電(Largan Precision)は自らが所有する営業秘密「ストッパー付のマルチヘッドディスペンサー(原文:附擋塊之多針點膠裝置)」が退職した従業員を通じて先進光電に渡り、実用新案(即ち「ディスペンサーニードルヘッド構造」)を出願されてしまったが、当該実用新案の出願権、特許権は大立光電が所有するものであると主張して、原処分を不服として行政訴願を提起した(先進光電は訴願を提起していない)。経済部は実体審理を行い、棄却を決定した。大立光電は知的財産裁判所に行政訴訟を提起し、大立光電は勝訴判決を受けた。訴願決定及び原処分が取り消された後、先進光電と盧O中はいずれも原判決に上記判決を不服として上訴していた。
    最高行政裁判所の判決理由の摘要は以下のとおり:
一、専利※権が付与されると、専利権者は法により他人がその同意を得ないで該専利を実施することを排除する権利を専有する。専利権者と公衆との利益の調和を図るため、専利法では無効審判という公衆による審理制度が設けられている。主務機関が公告した専利について再び審理を行い、専利権付与の正確性を図る。よって専利権の存続期間内に、原則的には何人も証拠を主務機関に提出して専利権の取り消しを請求できる。ただし無効審判制度の目的は公衆による審理であり、無効審判手続きは専利権者と請求人で攻防を行い、紛争対立性を有し、専利権者は自らが所有する専利権に無効審判を請求してはならない。専利権者が自ら無効審判を請求するならば、専利主務機関はこれを受理してはならない。
(訳注※:専利は特許、実用新案、意匠を含む)
二、原審(知的財産裁判所)は証拠調査と弁論結果から認められた事実に基づいて、本件無効審判は先進光電が特許事務所に委託した行ったものであり、上訴人盧O中は「ディスペンサーニードルヘッド構造」の無効審判請求人ではないと論駁したものである。つまり本件の無効審判は専利権者が自ら(無効審判を)請求したものであり、上記説明により知的財産局は法により受理すべきではない。ただし原処分はこれを明らかにせず無効審判請求成立の処分を下し、訴願決定もこれを維持しており、いずれも違法である。原判決が訴願決定と原処分を取り消したことは、法の請求が正確であり、判決に法令違背の状況はなく、本件上訴には理由がない。(2020年2月)