商標権侵害訴訟、誠品公司が誠品搬家公司を提訴

J200313Y2 2020年4月号(J248)
    誠品股份有限公司(The Eslite Corporation、以下「誠品公司」)は包装、引越の業務を経営する誠品搬家有限公司(Champion Moving Company)(誠品優質包裝有限公司を含む)が商標権を侵害しているとして提訴し、同社とその責任者(陳)に500万新台湾ドルの損害賠償を支払うとともに、「誠品」を商標及び社名に使用しないよう請求した。知的財産裁判所の第一審では誠品公司に敗訴の判決が下された。さらに上訴できる。
    誠品公司は次のように主張していた。即ち、誠品公司は1989年1月に設立されてから今まですでに30年間にわたり、長年「誠品」ブランドの経営と発展に尽力し、その事業範囲は書店、画廊、展示デモンストレーション、文化創意、飲食及び生活用品以外に、さらに貨物包装、積卸し、貨物輸送、物流配送等にも及んでおり、「誠品」商標はわが国においてすでに著名商標となっている。しかしながら、誠品搬家公司は誠品公司の同意を得ずに「誠品」商標を使用し、「誠品」の文字を社名に使用し、サイト、フェイスブックにおいて、「引越し業界の誠品」と自称し、「『引越し業界の誠品』となる志を含んでいる」…と自讃する等の宣伝行為によって消費者に誤認混同を生じさせており、商標権を侵害している。
    知的財産裁判所は次のように認めた。誠品搬家公司が提供する「包装」、「運送」の役務は引越しサービスにおける家具器材の包装と運送という段階における行為であり、一般的な単純に貨物輸送サービスにおける貨物の包装と運送とは異なり、同じ役務に該当せず、誤認混同のおそれは生じない。
また誠品搬家公司のフェイスブックには「引越し業界の誠品–誠品搬家公司は…『誠品書店』の名を借りており、そこには『引越し業界の誠品』になるという志が含まれており、英語名の『Champion』に呼応している」等と記載されており、誠品搬家公司は引越し業界においてトップの座を占めることを目指すもので、故意に誠品公司の取引上の信用にただ乗りしようとするものではなく、また消費者に対して誠品搬家公司と誠品公司との間に、加盟、チェーン又はグループという関係があると誤解させようしていない。
    さらに誠品公司が提出した証拠資料は、「誠品」商標が文化創意産業、特定の市場又は特定の消費者グループに熟知されていることを証明できるにすぎず、その著名の程度がすでに一般消費者に広く認知されている高度な知名度に達しているとは認めがたい。よって知的財産裁判所第一審では誠品公司に敗訴の判決が下された。本件はさらに上訴できる。(2020年3月)
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