特許出願第三者意見作業要点、2020年9月1日から施行
J200901Y1.J200825Y1 | 2020年9月号(J253) 前のぺージに戻る    
    知的財産局はニュースリリースにて、「特許の品質向上は知的財産局が追求する目標である。特許出願は出願後18ヵ月で公開され、その時点で関連分野の企業や公衆(即ち第三者)による先行技術情報の提供をいかに強化するのかは、国際的にみても特許権の安定性を確保するのに有益な措置である」と述べている。知的財産局は専利法施行細則第39条規定※に基づく特許審査における公衆審査としての「第三者意見制度」※※をより充実させるため、2020年8月25日に「特許出願第三者意見作業要点」を制定公布し、9月1日から施行した。要点を定めることで、公衆の参加手続きを明確に定めるとともに、知的財産局が対外的に開放している専利※※※検索システムにおいても、意見提供に便利なルートを提供し、さらには公衆から提供された引用文献情報について、出願人への通知と引用文献リストの公開を行って、公衆からの貴重な第三者意見を特許審査の品質向上のために最大限に活用する。
(訳注※:第39条 特許出願について公開から査定までの間に、何人も当該発明は拒絶すべきであると認めたとき、特許主務機関に意見を陳述し、且つ理由及び関連証明書類を付することができる。)
(訳注※※:日本の情報提供制度に相当)
(訳注※※※:専利には特許、実用新案、意匠が含まれる)
    この作業要点が施行されることで、出願人、産業界及び知的財産局の三者がいずれも利益を被る局面を創り出せる。
一 出願人にとっては、これまで年に約100件に上る第三者からの引用文献提供があったが、提供者の9割は引用文献情報の非公開を要求し、出願人がすぐに参考して許可査定以前に最適な補正を行なえず、後日に無効審判を請求され、出願人が多くの時間と訴訟費用を浪費するという状況が生じていた。今回、第三者意見を提出したという事実を通じて即時に出願人に通知することで、出願人の権益が守られるほか、出願人自身の特許の安定性が高まり、出願人が国内外でパテント・ポートフォリオを構築するのに役立つ。
二 関連技術の産業界にとっては、便利な提供ルートや知的財産局が提供する記入範例を通じて、企業や公衆が審査の参考となる先行技術文献及び意見をより容易に提供できるようになる。また、意見の提出時期も緩和され、出願人が実用新案と特許を同時に出願した場合、実用新案は平均2ヵ月余りで方式審査が完了してしまうため、企業や民衆は18ヵ月後の公開を待つ必要がなく、実用新案が公開された後、関連する先行技術文献及び意見を提出することができる。
三 知的財産局にとっては、対外的に公開されている専利検索システムにおいて、便利な意見提供のルートと記入範例を提供することで、第三者の引用文献情報提供に対する意欲が高まり、それによって審査官が先行技術の証拠を掌握する効果も高まり、その後の無効審判に係る行政コストの削減にも役立つ。
    全体的にみて、この作業要点の制定は、海外との足並みをそろえるとともに、公衆の特許審査への参加を効率的に促し、特許権者がより低コストで特許権の有効性を確保するのに協力することができ、台湾の特許審査の質をより一層向上させることが期待される。(2020年8月)