LV図案を盗用、「阿邦師」に対する908万新台湾ドル賠償命令判決が確定

J210115Y2・J210115Y3 2021年2月号(J258)
    有名なオークション業者である「阿邦師」グループ(Bang-Master Group)は同意を得ずに、それが出版する書籍、ポスター、教材等に、仏ルイ・ヴィトン社(Louis Vuitton、以下「LV」)の撮影作品と商標を使用したため、LVはそれが業務上の信用にただ乗りしたものだとして告訴し、損害賠償を請求していた。知的財産裁判所は一審、二審で「阿邦師」グループがLVの商標権と著作財産権を侵害していると認め、「阿邦師」グループとその代表者に損害賠償金908万新台湾ドルの支払いと、新聞への判決主文掲載を命じており、最高裁判所が上告を棄却したことで、本件の判決が確定した。
    LV側は、「阿邦師」グループが出版する書籍、ブランド品競売会宣伝ポスター、奢侈品鑑定士課程教材及び阿邦師の店舗「桃園尊爵店」のシャッターにはLVが撮影した写真、動画作品(訳注:動画の静止画)及び商標を盗用しており、権利を侵害されたとして告訴し、写真1枚当たり50万新台湾ドル、書籍の販売単価の1500倍を以って賠償金を計算して、「阿邦師」グループに所属する3社、協会及び代表者に対して3000余万新台湾ドルの賠償を請求していた。
    それに対して、「阿邦師」グループの代表者は、次のように反論していた。グループは階層に分けて管理が行われ、会社のすべての業務を自分一人で把握することは不可能であり、従業員にLVの図案を使用するよう指示したことはなく、またLVの店内のデコレーションやバッグ等はだれでも撮影することができ、著作物を盗用している状況はない。書籍は一般民衆が模倣品を防止するのに役立つため、LVにとっては逆に有益なものであり、侵害ではない。
    知的財産裁判所は一審にて、「阿邦師」は合法的に利用許諾を得ず書籍、ポスター、教材にLVが撮影した図案を使用し、さらにはシャッターにLVのバッグの図案を描いたことは、LVの著作財産権を侵害しており、また書籍と宣伝カードにLV商標を使用したことは、LVの商標権を侵害しており、権利侵害による損害賠償の責を負うべきであると認め、「阿邦師」グループに908万新台湾ドルの賠償金支払いと判決主文の新聞掲載を命じる判決を下していた。知的財産裁判所の二審、最高裁判所の三審でも原判決が維持され、本件判決が確定した。(2021年1月)
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