客室デザインを模倣、桂田璽悅公司が三審で逆転勝訴
J210211Y3 | 2021年3月号(J259) 前のぺージに戻る    
    雲朗観光股份有限公司(以下「雲朗観光公司」)は桂田璽悅酒店股份有限公司(以下「桂田璽悅公司」)が経営する台東桂田喜來登酒店(Sheraton Taitung Hotel、以下「桂田酒店」)の客室の装飾や配置が(雲朗観光公司の経営する)台北京站君品酒店(Palais de Chine Hotel、以下「君品酒店」)と極めて類似しており、著作財産権が侵害されたとして桂田璽悅公司を提訴した。一審と二審では桂田璽悅公司が敗訴し、500万新台湾ドルの支払いと権利侵害部分の撤去を命じる判決を受けた。桂田璽悅公司がさらに上告したところ、最高裁判所は上告には理由があると認め、原判決を破棄し、知的財産裁判所に差し戻した。
    雲朗観光公司は、その傘下にある君品酒店では客室の家具、インテリアの配置と室内デザインについて、仏ルイ16世風と現代オリエンタル風を融合させた快適で優雅な雰囲気をコンセプトとしており、独創的な芸術又は美感の表現を有するものであり、著作権法で保護される建築の著作物に該当すると主張した。さらに桂田酒店の客室デザインは君品酒店が得た部屋タイプ別室内デザインの成果を模倣し、わずかに調整したものであり、模倣の程度は高く、消費者の宿泊を誘致するために公式サイトや各ホテル予約サイトに(写真を)掲載しており、これによりデザイン設計と内装の時間を短縮できるほか、高額のデザイン料を支払う必要がないため、観光ホテル業界又はホテルの取引秩序に影響するに足りるとして提訴した。
    桂田璽悅公司は、雲朗観光公司が訴えている著作物は著作権保護の客体ではなく、芸術性と独創性を有さず、しかも桂田酒店はデザイナーを招聘任用してデザインさせており、模倣はないと抗弁している。君品酒店の客室(のデザイン)と家具やインテリア等の装飾及び配置は業界で汎用されている配置を参考し、既製品を調達したもので、その家具の外観、選択、サイズ、採光照明、動線のアレンジ等は独創性が欠如しており、家具カタログの公正証書、書籍、交通部観光局のホテル格付表等を証拠としている。
    知的財産裁判所における一審と二審ではいずれも建築の著作物は著作財産権の保障を受けるとして、桂田璽悅公司に敗訴の判決を下したが、最高裁判所は、原審では、桂田璽悅公司が提出した防御方法及び証拠を採用しなかった理由を説明せずに、君品酒店の客室(のデザイン)と家具やインテリア等の装飾及び配置が著作権法の保護を受ける建築の著作物であると認定しており、これには検討の余地があること、さらには、もし桂田璽悅公司が君品酒店の部屋タイプ別デザインを模倣しているならば、それが取引秩序に影響するに足りる欺罔又は著しく公正さを欠く行為であるかについて、原審は桂田璽悅公司の抗弁と証拠を斟酌せず、推論して桂田璽悅公司に不利な認定を行っており、判決が理由を欠いているという違法があることから、原判決を破棄すべきであると判決した。(2021年2月)