「専利審査基準」第2篇第12章「コンピュータソフトウェア関連発明」を改訂、2021年7月1日に発効

J210505Y1 2021年6月号(J262)
    知的財産局は「專利*審査基準」第2篇第12章「コンピュータソフトウェア関連発明」を改訂し、2021年7月1日に発効すると公告した。近年、人工知能(AI)、ビッグデータ等の技術が急速な発展することで、各分野に新たな形態の応用や発明がもたらされており、コンピュータソフトウェア関連発明の出願件数もそれにともない増加している。産業の変化と革新の保護というニーズに対応するため、現行の審査基準の内容を調整して、明確かつ整合性のある審査基準を確立する。今回の改訂の重点は次の通り。
(訳注*:「専利」には特許、実用新案、意匠が含まれる)
    一、発明の定義(適格性)の判断原則を明確化
更なる技術的効果と「コンピュータの簡単な利用」等の関連内容を削除して、請求項に係る発明を適格性の判断対象とすることと、それに関連する判断手順とフローチャートとを明確に定め、並びに各項目において事例を挙げて説明することで、判断原則をより明確にする。(改訂版第3節)
    二、進歩性関連の内容を改訂して総則と整合化
現行の進歩性に関する総則(訳注:第3章第3節「進歩性」)の内容に合わせて、「その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者」、「進歩性が否定される要素」と「進歩性が肯定される要素」という項目を追加するとともに、現行基準の「他の技術分野への転用」、「人間が行っている作業方法のシステム化」、「従来のハードウェアによる機能のソフトウェア化」等の項目を「簡単な変更」という進歩性が否定される要素に組み入れ、その他の態様を追加する。(改訂版第4.2節)
    三、人工知能(AI)関連の審査事項及び事例を追加
(一)人工知能を応用する分野はきわめて広いため、特許出願に係る発明が医療に応用されている場合、その方法の発明が人間又は動物に対する診断、治療方法ではないか、つまり「法定の特許を受けることができない対象」に該当しないかについて、審査官に注意を促す。
(二)改訂後の適格性及び進歩性に関する内容に基づいて、人工知能関連の説明と事例を組み入れ(改訂版第4.2.2.1.1.1、第4.2.2.1.1.2節、第5.2節事例2-12、2-13、3-5)、また十分に開示されないため実施可能要件を満たさない状況を事例で説明する(改訂版第5.1節事例 1-1、1-2)。
    四、その他の審査関連事項
(一)出願と審査の実務に合わせて、「物の請求項」には構造上の制限条件を記載することを必須としないことを定めている(改訂版第 2.2.1.2 節)。
(二)「請求項が不明確な状況」及び「明細書に裏付けられる」という項目を追加している(改訂版第2.2.3節及び第2.2.4節)。
(三)一般的な機能によって物を特定する請求項とミーンズ・プラス・ファンクション・クローズに関する挙証責任の分配を明確に規定している(改訂版第 2.3 節留意事項(2))。(2021年5月)
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