CPTPPに焦点を合わせ、行政院は著作権法及び商標法の一部改正案を可決
J220120Y2.J220120Y3 | 2022年2月号(J270) 前のぺージに戻る    
    台湾の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への加入を推進するため、知的財産局は2016年にCPTPPの前身である「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」と台湾の現行法規との落差を調べ、「著作権法」及び「商標法」の一部条文改正案を提出していた。9期立法委員(訳注:任期2016年2月1日~2020年1月31日)による審議に間に合わなかったため、これらの改正案は2020年に再び行政院へ提出され、2022年1月20日の第3787回行政院会議(訳注:日本の閣議に相当)を通過し、立法院の審議へ送られた。
一、「著作権法」改正のポイントは以下の通り:
 (一)権利侵害が重大であるデジタル形式による違法な複製、(違法複製物と知りながらの)頒布及び(無断での)公衆送信は非親告罪(即ち公訴)とし、「他人が有償で提供する著作物(有償著作物)を侵害する」、「原作のまま複製する」、「権利者に100万新台湾ドル以上の損害をもたらす」を重大侵害の三要件と定め、著作権者の保護を強化する。(第100条改正)
 (二)光ディスクが衰退し、すでに主要な侵害行為を構成するものではなくなっており、また海賊版光ディスクも改正後の第100条でいうデジタル形式による違法複製物の範囲に含まれるため、現行法における海賊版光ディスクの複製、頒布に対する刑加重の規定を削除し、通常の複製、頒布罪の刑事責任規定に戻すとともに、対応する没収(刑罰)、没収(行政罰)の規定を削除する。(第91条第3項、第91条の1第3項、第98条及び第98条の1を削除)
二、「商標法」改正のポイントは以下の通り:
 (一)現行商標法における、(登録商標を)摸倣したラベル等の民事責任については侵害行為者が「明らかに知っていた」という侵害構成の主観的要件を満たす必要があるとする規定が削除され、通常の民事損害賠償責任の「故意」又は「過失」を帰責条件とする規定に戻す。(第68条を改正)
 (二)商標又は団体商標のラベル等を摸倣する行為に対する刑罰規定を追加し、摸倣したラベル、包装等を輸入する等の権利侵害を準備及び補助する行為には刑罰を科すことで、商標権者の商品販売及び利益獲得を増やし、商標保護を強化する。(第95条を改正)
 (三)証明標章ラベルを摸倣する、他人が為した権利侵害の商品を販売する又は販売を意図して所持する等の刑事責任に関わる行為について、「明らかに知っていた」という主観的要件を削除し、「故意」を刑事処罰の要件として、侵害をもたらすことを予見できる間接的な故意の行為を含める規定に戻し、社会の正義と期待に応えられるものとする。(第96条及び第97条を改正)(2022年1月)