CPTPPへの加入推進に合わせ、立法院は知的財産権三法案を可決
J220415Y1.J220415Y2 | 2022年5月号(J273) 前のぺージに戻る    
    知的財産権関連の法律を「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」の規定に適合させ、台湾が今後CPTPPの加入交渉を行う際に有利になるよう、立法院は2022年4月15日に「著作権法」一部条文改正案、「商標法」一部条文改正案及び「専利法第60条の1」改正案を可決した。
    一、「著作権法」改正の重点は以下の通り:
(一)権利侵害が重大であるデジタル形式による違法な複製、(違法複製物と知りながらの)頒布及び(無断での)公衆送信は非親告罪(即ち公訴)とし、「他人が有償で提供する著作物(有償著作物)を侵害する」、「原作のまま複製する」、「権利者に100万新台湾ドル以上の損害をもたらす」を重大侵害の三要件と定める。
(二)光ディスクが衰退し、すでに主要な侵害行為を構成するものではなくなっており、通常の罰則規定に戻すため、現行法における海賊版光ディスクの複製、頒布に対する刑加重の規定を削除するとともに、対応する没収(刑罰)、没収(行政罰)の規定を削除する。
    二、「商標法」改正の重点は以下の通り:
(一)商標又は団体商標のラベル等を摸倣する行為に対する刑罰規定を追加し、摸倣したラベル、包装等を輸入する等の権利侵害を準備及び補助する行為には刑罰を科すことで、商標権者の商品販売と利益獲得を増やし、商標保護を強化する。
(二)現行商標法において、侵害行為者が「明らかに知っていた」という民事、刑事責任構成の主観的要件を満たすことが求められるが、「明らかに知っていた」という要件を削除することで、民事の権利侵害責任の「故意又は過失」を(帰責)要件とする規定に戻す。刑事罰則は「故意」を要件とする。
    三、「専利法」改正の重点は以下の通り:
(一)医薬品特許リンケージ制度はCPTPPの規定であり、後発医薬品の医薬品許可証申請が許可される(薬事承認)前に、後発医薬品が新薬の特許権と権利侵害の争議があるか否かについて、争議解決のシステムを確立する必要がある。薬事法においては2019年8月20日に「医薬品特許リンケージ」制度が施行されているため、これに合わせて専利法において新薬特許権者が後発医薬品メーカーを提訴できる依拠を明確に規定する必要がある。
(二)一方で後発医薬品の権益を守るため、新薬の特許権者が定められた期限までに権利侵害訴訟を提起しなかった場合、後発医薬品メーカーは特許権を侵害していないことを確認する訴訟を提起でき、これにより後発医薬品が発売された後に権利侵害で訴えられるリスクを回避できる。(2022年4月)