「KAISER'S」と「HERSHEY'S」の商標類似で、甘百世公司が敗訴
J190410Y2 | 2019年5月号(J237) 回上一頁    
    甘百世食品工業股份有限公司(Taiwan Kaiser Foods Industrial Co., Ltd.、以下「甘百世公司」)のチョコレートブランド「KAISER'S」と米国企業であるザ・ハーシー・カンパニー(The Hershey Company)の「HERSHEY'S」との間で争われている商標権侵害事件について、2017年9月に行われた知的財産裁判所第一審判決では甘百世公司に勝訴判決が下されたが、ザ・ハーシー・カンパニーはこれを不服として上訴を提起していた。先日、知的財産裁判所第二審の中間判決が出され、甘百世食品公司に敗訴判決が下され、ザ・ハーシー・カンパニーの「HERSHEY'S」商標権を侵害していると認められた。
    知的財産裁判所の判決書では次のとおり指摘されている。
1.本件の関連する消費者が単価の高くない商品をコンビニエンスストアで購入する時は、注意の程度が高くはなく、容易に誤認混同するおそれがある。
2.係争製品1については、外包装に使用されている商標はいずれも濃い色の水滴形状図形を下地として、その図形の中央に白いアルファベット大文字の文字列が配置され、さらに当該白いアルファベット大文字の文字列の上部には小さい白いアルファベットの文字列が配置されて構成されている。図案の中央にある大きなアルファベット文字列はいずれも大文字Kから始まり、大文字Sで終わっており、文字列の中間には順番にI、S、Eがあり、文字列の長さも類似している。当該文字列の上部にある小さく白い文字列も長さが類似している。全体的にみると、両社の製品の外包装は類似しており、商標が類似している。
係争製品2は「KAISER'S」商標と「HERSHEY'S」商標であり、両者はいずれも設計が施されていないゴシック体のアルファベット大文字の文字列であり、その長さは類似しており、第二音節はいずれもSで始まっている。さらに「KAISER'S」の頭文字であるKの書き方がHに類似する様相を呈しており、語尾も「'S」である。全体的にみると、「KAISER'S」商標と「HERSHEY'S」商標は類似している。
3.甘百世公司と米ザ・ハーシー・カンパニーはいずれもチョコレートメーカーであり、競合する同業者間の情報に対して一般の消費者より注意を払っているはずである。米ザ・ハーシー・カンパニーは1894年に創業されており、「HERSHEY'S」商標で商品を世界中に販売している。1974年からは台湾でも使用され始めている。一方、甘百世公司は1977年に設立され、それが「KAISER'S」商標を使用して商品を販売した時期は明らかに米ザ・ハーシー・カンパニーより遅い。甘百世公司は米ザ・ハーシー・カンパニーが「HERSHEY'S」商標を使用して商品を販売していた事実を知っていたはずである。よってそれが「HERSHEY'S」と類似する商標を使用することは、善意によるものではない。
4.甘百世公司は1977年以降に次々と3件の商標を登録しており、該社の製品の包装上の商標と対比すると、甘百世公司は3種類の商標を変更し、一部を切り取り、又は組み合わせて、実際に使用する図案としていることが明らかにわかり、この行為は甘百世公司がザ・ハーシー・カンパニーの取引上の信用に便乗している証拠である。(2019年4月)
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