先天的識別性がない表示は、必ずしも商標登録を取得することができないわけではない。もし出願者は当該表示が市場で使用された後、関連の消費者も既に一定の出所を指示及び区別する表示だと見做していることを証明することができる場合、その時に当該表示には既に商標機能があるので、登録を許可することができる。この識別性は使用を経て取得したものであり、表示自体に固有のものではないので、後天的識別性といい、または二次的意味という。

2022-05-20 2021年
■ 判決分類:商標権

I 先天的識別性がない表示は、必ずしも商標登録を取得することができないわけではない。もし出願者は当該表示が市場で使用された後、関連の消費者も既に一定の出所を指示及び区別する表示だと見做していることを証明することができる場合、その時に当該表示には既に商標機能があるので、登録を許可することができる。この識別性は使用を経て取得したものであり、表示自体に固有のものではないので、後天的識別性といい、または二次的意味という。

■ ハイライト
被告(知財局)は原告の第1942623号商標が「イチジク、イチジク苗」に使用指定されている、一部の商品登録について商標法第29条第1項第1号規定を適用すると認定し、2020年7月10日付中台評字第1070185号商標審決書を以って係争商標が前記一部商品に使用指定している登録を取消すべきであるとした。他の商品に使用指定している登録は無効審判不成立の処分となった。原告はこれを不服として、訴願を提起したが、経済部から経訴字第10906310690号決定を以って棄却されたので、行政訴訟を提起した。
 
前記問題について、知的財産裁判所の判決は以下の通りである。:
係争商標は「イチジク、イチジク苗」商品に使用指定しており、関連業者及び消費者に与える認知印象はただ特定の植物分類であるイチジク、イチジク苗商品を説明するだけで、それらの商品の関連特性の説明には識別性がないので、商標法第29条第1項第1号規定を適用すべきである。

II 判決内容要約

知的財産裁判所行政判決
【裁判番号】2020年度行商訴字第123号
【裁判期日】2021年6月30日
【裁判事由】商標無効審判

原告       黃崇政
被告       経済部知的財産局
代表者     洪淑敏(局長)
訴訟代理人 李汝婷

前記当事者間の商標無効審判事件について、原告は経済部中華民国109年11月24日経訴字第10906310690号訴願決定を不服として、行政訴訟を提起した。本裁判所の判決は以下の通りである。:

主文
原告の訴えを棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。

一 事実要約
原告の第1942623号商標は被告商標審査審決員が係争商標が商標法第29条第1項第1号及び第3号規定に違反するとして、職権により無効審判を請求した。被告が審査したうえで、係争商標を「イチジク、イチジク苗」に使用指定している一部商品の登録について商標法第29条第1項第1号規定を適用し、2020年7月10日中台評字第1070185号商標審決書を以って係争商標を前記一部商品に使用指定している登録を取消さなければならないと認定した。他の商品に使用指定している登録について無効審判不成立との処分を下した。原告はこれを不服として、訴願を提起したが、経済部から経訴字第10906310690号決定を以って棄却されたので、知的財産裁判所に行政訴訟を提起した。

二 両方当事者の請求内容
原告:原処分の、係争商標を「イチジク、イチジク苗」に使用指定している一部商品の登録を取消すべきとの決定及び訴願決定をいずれも取消すよう請求する。
被告:原告の訴えを棄却する。

三 本件の争点
係争商標の登録には商標法第29条第1項第1号規定の適用があるか?

四 判決理由の要約
(一) 係争商標は商標法第29条第1項第1号規定に違反する。:
「海菲爾」文字と「イチジク、イチジク苗」商品を併せて、「イチジク、イチジク苗」を販売、購入する関連業者、消費者にとって、「イチジク、イチジク苗」商品または関連説明の表示では、関連業者、消費者に商品出所を識別できる印象を生じさせることが難しく、且つ競争の立場から見れば、他の競争同業者も同一の海菲爾イチジク小枝や苗を購入して栽培を行った後、取引過程において当然これらの文字を使用して「イチジク、イチジク苗」商品を表示する必要がある。よって、係争商標を「イチジク、イチジク苗」に使用指定していることが、関連業者及び消費者に与える認知印象は、ただ特定の植物分類であるイチジク、イチジク苗商品の説明だけであり、それらの商品関連特性についての説明は、識別性がないので、商標法第29条第1項第1号規定を適用すべきである。
(二) 係争商標には商標法第29条第2項規定の適用がない。:
先天的識別性がない商標が既に後天的識別性を取得したかについては、主張者が関連事証を提出して証明しなければならず、例えばそれは、商標の使用形式、時間の長さ及び同業者の使用情況、販売量、売上高及び市場占有率、広告量、広告費用、販売促進活動の資料等、販売地域、市場分布、販売拠点または展覽陳列場所の範囲、各国登録の証明、市場調査報告、他の後天的識別性があると認定できる証拠等である。しかし原告は係争商標を「イチジク、イチジク苗」に使用した一部商品の売上高及び市場占有率、広告量、広告費用、販売促進活動の資料等及び他の後天的識別性があると認定できる証拠を提出していないので、当然商標法第29条第2項規定により同条第1項第1号規定の適用を排除することができない。

知的財産裁判所第二法廷  
審判長裁判官汪漢卿
裁判官 彭洪英
裁判官 曾啓謀
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