裁判所が公平法違反と判決!検索連動型広告でネガティブキャンペーンは企業間の新形態の不正競争

2024-06-26 2023年

■ 判決分類:公平取引法

I 裁判所が公平法違反と判決!検索連動型広告でネガティブキャンペーンは企業間の新形態の不正競争

■ ハイライト
台北地方裁判所は先ごろ、永慶房屋と「好房網」に信義房屋のグッドウィル侵害と公平交易法(以下「公平法」)(訳注:日本の独占禁止法及び不正競争禁止法に相当)違反で、300万新台湾ドルの損害賠償支払い、虚偽のニュースの削除、とくに「今後、信義房屋の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならない」と命じる判決を下した。裁判所は、検索連動型広告で競合相手に対するネガティブキャンペーンを行うことが公平法に違反すると認めた。この判決は企業間の新形態の不正競争を抑止する意味を持つことになる。

II 判決内容の要約

台北地方法裁判所民事判決
【裁判番号】111年度重訴字第1065号
【裁判期日】2023年07月19日
【裁判事由】侵害の排除等

原告      信義房屋股份有限公司(Sinyi Realty Inc.)
法定代理人  信義股份有限公司
被告     好房国際股份有限公司
兼法定代理人 林淑貞 
被告     林淑貞 
              楊欽亮(筆名:林志文)
被告      永慶房屋仲介股份有限公司(Yung Ching Rehouse Co.)
法定代理人  孫慶餘 

上記当事者間の侵害の排除等事件について、本裁判所は2023年5月24日に口頭弁論を終結し、次の通り判決する:

主文
被告好房國際股份有限公司は好房網(https://www.housefun.com.tw)に掲載した、及びYoutube(https://www.youtube.com)で発表した、付表に示す文章及び動画を削除せよ。
被告好房國際股份有限公司、楊欽亮は、原告に対し、連帯して金300万新台湾ドル及び2022年11月28日から支払い済みまで、年5分の割合による金員を週ごとに支払え。
被告好房國際股份有限公司、永慶房屋仲介股份有限公司は自ら又は他人を利用して「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならない。
被告好房國際股份有限公司、楊欽亮は、連帯して費用を負担し、添付資料に示す事実説明文を、タイトルを18ポイント、文章を14ポイントのフォントで、「好房網」のホームページに7日掲載せよ。
被告好房國際股份有限公司、永慶房屋仲介股份有限公司は、連帯して費用を負担し、本件判決書の事件番号、当事者及び主文を聯合報、自由時報及び中国時報の全国版第1面に標楷體12ポイントのフォントを用いて各1日掲載せよ。
原告のその余の請求を棄却する。
訴訟費用は、被告好房國際股份有限公司、楊欽亮が連帯して二分の一負担し、永慶房屋仲介股份有限公司が百分の一を負担し、その余を原告が負担する。
本判決第2項については原告が金100万新台湾ドル又は同額の無記名譲渡性預金を以って被告に担保を立てたとき、仮執行をすることができる。ただし被告好房國際股份有限公司、楊欽亮が300万新台湾ドルを以って原告に担保を立てたときは、仮執行を免れることができる。
原告のその余の仮執行宣言申立てを棄却する。

一 事実要約
(一)永慶房屋仲介股份有限公司(以下「永慶房屋」)は不動産仲介サービスを業とし、原告公司とは競合関係にある。
(二)林淑貞は好房公司の筆頭株主であり、同時に永慶房屋の法定代理人兼株主である孫慶餘の配偶者でもある。林淑貞はまた永慶房屋の共同創業者及び株主であり、2019年11月25日(当日を含まず)より前に永慶房屋董事(訳注:理事に相当)及び法人董事が指定する代表者でもある(永慶房屋の会社登記資料ファイルを参照)。
(三)好房國際股份有限公司(以下「好房公司」)は好房網(https://www.housefun.com.tw)及び好房網YouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/@ohousefun)を経営している。楊欽亮は好房網の編集長兼記者、YouTube (真相大追擊シリーズは現時点で50余回)の動画制作者及び司会者である。
(四)好房公司は原告民事準備書面(一)(訳注:弁論準備書面に相当)訂正後の付表に示される期日(甲証24-6-3が2019年8月28日にリリースされたのを除く)に、付表に示されるようなタイトル、即ち甲証24(甲証24-2-2を除く)に示される各文章及び動画の報道を発表し、かつて甲證25乃至34に示される方法で、インターネットを通じてそのサイト内外で前述報道を広め、アクセスを誘引した。
(五)楊欽亮は前述付表に示される動画の司会者の1人である。
(六)甲証17、42は好房網にかつて存在したサイトの資料である。甲証43は好房公司がかつて送ったメッセージ(原告訴訟代理人が2021年9月1日に受信)である。
(七)好房公司は「信義房屋」等のキーワードの検索連動型広告を打ち、詳しくは2023年3月14日民事報告書(一)の添付資料3に示す通りである(即ち本裁判所ファイル三第403乃至405頁)。
(八)永慶房屋は2022月9日乃至7月22日に、「信義房屋」をキーワードとし、甲証29に図示される「中間部分」のような、タイトル:「永慶房屋は悪徳仲介手法を警告–投機家と組んで双方から利ザヤを稼ぐことを拒絶」という検索連動型広告(リンク)(本裁判所ファイル一第427頁)を打った。当該検索連動型広告はすでに取り下げされた。当該検索連動型広告をクリック(リンク)すると、すぐに被証乙1に図示される鏡週刊の記事報道につながる(本裁判所ファイル二第371至376頁)。
(九)甲証24-6-3、及び甲証24-7-3の報道全文が転載される被証33の出所の報道について、前述原告公司はそれぞれ台北地方検察署(以下「台北地検署」)検察官に刑事名誉棄損で告訴し、それぞれ台北地検署の検察官が不起訴処分を確定した。原告公司は後件について本裁判所刑事法廷に自訴(私人訴追)した後、本裁判所は自訴の不受理(却下)を判決した(被証12、14、即ち本裁判所ファイル二第175至184頁、第191至193頁を参照)。
(十)上記付表に列記される報道(甲証24-3-2、甲証24-4-2を除く)について、原告公司が仮の地位を定める処分の声明を行い、好房公司が自ら又は他人を利用してサイトにハイパーリンクを貼る又は公衆に知らせる方法で、前述の文章、動画のサイトリンクを流布することを禁止するよう請求し、本裁判所は2022年9月30日に111年全字第283号決定を以て許可した。好房公司が抗告した後,高等裁判所は2022年11月30日に原決定を破棄し、原告公司の声明を棄却した。原告公司は再抗告を提出し、現在最高裁判所にて審理中である(被証19、即ち本裁判所二第225至234頁を参照)。
(十一)上記付表に列記される文章、動画(甲証24-3-2、甲証24-3-4、甲証24-4-2、甲証24-5-2、甲証24-6-3、甲証24-7-1を除く)について、原告公司が仮の地位を定める処分の声明を行い、前記文章又は動画等の削除を請求し、いずれも棄却され確定した(被証15乃至17、即ち本裁判所ファイル二第195至215頁を参照)。

二 両方当事者の請求内容
(一)原告の声明:
1、好房公司は好房網(https://www.housefun.com.tw)に掲載した、及びYoutube(https://www.youtube.com)で発表した、付表に示す文章及び動画を削除せよ。
2、好房公司等3名は原告に対し、連帯して金6,000,000新台湾ドル、及び起訴状副本送達の翌日から支払い済みまで、年5分の割合による金員を週ごとに支払え。
3、好房公司、永慶房屋は自ら又は他人を利用して「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならない。
4、好房公司が原告に関する文章、動画、音源又はその他の形式のコンテンツを掲載又は発表する時、当該コンテンツの開始部分に「好房國際股份有限公司/好房網の董事長及び株主である林淑貞と永慶房屋仲介股份有限公司の董事長及び株主である孫慶餘とは夫婦関係にある」という利害関係を掲示し説明せよ。
5、好房公司等3名は連帯して費用を負担し、起訴状の添付資料に示す事実説明文を、タイトルを18ポイント、文章を14ポイントのフォントで、「好房網」のホームページに7日掲載せよ。
6、好房公司、永慶房屋は費用を負担し、本件判決書の事件番号、当事者及び主文を。聯合報、自由時報及び中国時報の全国版第1面に標楷體(DFKai-SB)12ポイントのフォントを用いて各1日掲載せよ。
7、原告は金100万新台湾ドル又は同額の無記名譲渡性預金を以って被告に担保を立てるので、声明第1乃至4の仮執行宣言を申し立てる。
(二)被告の声明:
1、原告の請求及びその仮執行の申立てをいずれも棄却する;
2、不利な判決を受けたときは、担保を立てるので、仮執行免脱宣言を申し立てる。

三 本件の争点
(一)好房公司が付表に示される文章、動画を掲載し、原告公司をキーワードとする検索連動型広告を打った等の行為は、原告公司の名誉権、信用維持の権利、又はグッドウィルを侵害したのか。
(二)好房公司の前述行為は公平法第24条「原告公司のグッドウィルを害するに足る虚偽の事情」であるのか。
(三)好房公司の前述行為は公平法第25条「取引秩序に影響するに足る欺瞞的な又は著しく公正さを欠く行為」であるのか。
(四)永慶房屋の前述行為は公平法第25条「取引秩序に影響するに足る欺瞞的な又は著しく公正さを欠く行為」であるのか。
(五)(請求の声明第1項の部分)原告は民法第18條第1項前段、公平法第29条(同法第24条違反)の規定により、好房公司に好房網(https://www.housefun.com.tw)に記載された、及びYouTubeサイト(https://www.youtube.com)に発表された、付表に示される文章、動画を削除するよう請求することには理由があるのか。
(六)(請求の声明第2項の部分)原告が民法第184条第1項前段、第185条第1項、第188条第1項、第195条第1項前段、第28条、公司法第23条第2項等の規定により好房公司等3名は原告に対し、連帯してグッドウィルの損害に相当する金員を賠償するよう請求することには理由があるのか。金額はいくらか。
(七)(請求の声明第3項の部分)原告は公平法第29条(同法第25条違反)規定により好房公司、永慶房屋(好房公司の部分についてさらに民法第18条第1項前段、公平法第24条規定による)は自ら又は他人を利用して「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならないと請求することに、理由はあるのか。
(八)(請求の声明第4項の部分)原告が公平法第29条(同法第25条の違反)規定により、好房公司が原告に関する文章、動画、音源又はその他の形式のコンテンツを掲載又は発表する時、当該コンテンツの開始部分に「好房國際股份有限公司/好房網の董事長及び株主である林淑貞と永慶房屋仲介股份有限公司の董事長及び株主である孫慶餘とは夫婦関係にある」という利害関係を掲示し説明するよう請求することに、理由はあるのか。
(九)(請求の声明第5項の部分)原告が民法第195条第1項後段規定により、好房公司等3名が連帯して費用を負担し、添付資料に示す事実説明文を、タイトルを18ポイント、文章を14ポイントのフォントで、「好房網」のホームページに7日掲載するよう請求することに、理由はあるのか。
(十)(請求の声明第6項の部分)原告が公平法第33条(同法第24、25条違反)規定により、好房公司、永慶房屋が費用を負担して、本件判決書の事件番号、当事者及び主文を聯合報、自由時報及び中国時報の全国版第1面に標楷體12ポイントのフォントを用いて各1日掲載するよう請求することに、理由はあるのか。

四 判決理由の要約
(一)好房公司が付表に示される文章、動画を掲載する行為は、原告公司の名誉権、信用維持の権利又はグッドウィルを侵害したのか。
  
好房公司が付表に示される期間に掲載、発表した付表に示される文章、動画は、閲覧者、視聴者に、原告公司の消費紛争が多く且つ密集しており、悪徳な仲介であるという悪い印象を与え、原告公司の名誉権及びグッドウィルを侵害した(各文章、動画のタイトル、情報操作の手法及び証拠の出所について、詳しくは付表に示される通り)。また、好房公司がニュースのホームページにおいて「悪徳な仲介」と「信義房屋」というタグを並べて配置しており、ニュースチャンネル、有名人の特集記事において「不動産購入時には投機家と悪徳仲介に注意」、「被害者から真実の声を直接聴く」及び緑色(信義房屋を代表する色)で目を引く「信義房屋、45%の利ザヤを稼ぐ悪徳企業」の「家を安く売られた疑い、半年で価格差は45%?!」というネガティブな広告を載せた状況について、原告公司は2022年4月26日に体験公証を行ったところ、閲覧者、視聴者が見聞した後、原告公司に対してネガティブな見方を持った。また、これは原告公司が提出した付表に示されるネットユーザーのコメントからも証明されている。さらに原告公司が訴外人である模範市場研究顧問股份有限公司に委託して、台北市、新北市、桃園市、台中市、台南市及び高雄市に住む30乃至59歳で、最近1年間に不動産仲介サービスを利用した消費者600人に対するオンライン調査を行った結果、69%の消費者が売買する不動産物件を探す又は不動産業者を選ぶ過程において、ネガティブな報道又は宣伝に接しており、その中で37%の消費者は提示されていない状況において接したことがあるネガティブな宣伝は原告公司を暗示又は攻撃したものだと答えており、接したことがあるネガティブな宣伝が原告公司を暗示又は攻撃したものだとする消費者の57%は原告公司に対する好感度が低下しており、80%以上の消費者は原告公司の「不動産売買価格の透明度」、「委託する意欲」、「不動産情報の信頼度」に対する評価が低下しており、2023年5月「信義房屋ブランド資産に対する影響研究調査レポート」1部で証明できる。
好房公司は付表の各番号で示される事件について、一部の事件に対しては部分的な査証を行い、一部の事件については完全にその他のメディア報道の内容を引用しており、さらに付表に示される「情報操作の手法」欄に示される手法で原告公司にとってネガティブなタイトル、広告、図、タグ、要約等を流布したことは、合理的な査証及びバランスのある報道であるとは認めがたい。

(二)好房公司の前述行為は公平法第24条「原告公司のグッドウィルを害するに足る虚偽の事情」であるのか。
永慶房屋と原告公司は競合関係にあり、しかも好房公司と永慶房屋との関係が密接であることはすでに前に認定しており、好房公司には確かに公平法第24条違反の事情があると認めるに堪える。

(三)好房公司、永慶房屋は公平法第25条に違反したのか?
前述の検索連動型広告を打っている期間に、閲覧者、視聴者は「信義房屋」をキーワードとして検索すると、潜在的な取引相手に永慶房屋は原告公司よりも誠実で、原告公司より優れているという印象を与える。好房公司、永慶房屋が前述の期間に検索連動型広告を打ったことで、閲覧者、視聴者が「信義房屋」を検索し、それらが打った前述内容の広告が同時に現れる、又は別々に現れるかにかかわらず、いずれも原告公司の潜在的顧客リソースが流出するおそれがあり、公平法第25条でいうところの欺瞞的な又は著しく公正さを欠く行為を構成する。

(四)(請求の声明第1項の部分)原告は民法第18條第1項前段、公平法第29条(同法第24条違反)の規定により、好房公司に好房網(https://www.housefun.com.tw)に記載された、及びYouTubeサイト(https://www.youtube.com)に発表された、付表に示される文章、動画を削除するよう請求することには理由があるのか。
   好房公司が公平法第24条規定に違反したことはすでに述べた通りであるため、原告公司は民法第18条第1項前段、公平法第29条規定により好房公司に好房網(https://www.housefun.com.tw)に記載された、及びYouTubeサイト(https://www.youtube.com)に発表された、付表に示される文章、動画を削除するよう請求することには理由がある。
 
(五)(請求の声明第2、5項の部分)原告が民法第184条第1項前段、第185条第1項、第188条第1項、第195条第1項前段、第28条、公司法第23条第2項等の規定により好房公司等3名は原告に対し、連帯してグッドウィルの損害に相当する金員を賠償するよう請求することには理由があるのか。金額はいくらか。原告が民法第195条第1項後段規定により、好房公司等3名が連帯して費用を負担し、添付資料に示す事実説明文を、タイトルを18ポイント、文章を14ポイントのフォントで、「好房網」のホームページに7日掲載するよう請求することに、理由はあるのか。
好房公司、楊欽亮に連帯してグッドウィルの損害に相当する金員を賠償するよう請求すること、及び連帯して費用を負担し連帯して費用を負担し、添付資料に示す事実説明文を、タイトルを18ポイント、文章を14ポイントのフォントで、「好房網」のホームページに7日掲載するよう請求することは、名誉を回復するのに必要なものであり、理由がある。
しかしながら前述損害を証明することは困難である。本裁判所は前述民事訴訟法第222条第2項規定により、好房公司、楊欽亮が付表に示される文章、動画を記載、発表し、付表に示される「情報操作の手法」の方法で原告公司の信用維持の権利、グッドウィルを侵害した事情、原告公司の資本金が10,000,000,000新台湾ドル、好房公司の資本金が5,000,000新台湾ドルであること(本裁判所ファイル一第119、115頁を参照)、好房公司が現時点で付表に示される文章、動画を取り下げていないこと等を斟酌し、経験則及び狭義の比例性の原則により、状況を参酌して原告公司がこれにより受けた損害は3,000,000新台湾ドルであると決定し、これを超える範囲については、理由はない。

(六)(請求の声明第3項の部分)原告は公平法第29条(同法第25条違反)規定により好房公司、永慶房屋(好房公司の部分についてさらに民法第18条第1項前段、公平法第24条規定による)は他人を利用して「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならないと請求することに、理由はあるのか。
好房公司、永慶房屋は「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打って、「信義房屋」を検索すると上述の結果が現れ、潜在的な取引相手に永慶房屋は原告公司よりも誠実で、原告公司より優れているという印象を与え、原告公司の潜在的顧客リソースが流出するおそれがあり、公平法第25条違反は前述した通りであり、原告公司が好房公司、永慶房屋は他人を利用して「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならないと請求することに、理由はあり、許可すべきである。

(七)(請求の声明第4項の部分)原告が公平法第29条(同法第25条の違反)規定により、好房公司が原告に関する文章、動画、音源又はその他の形式のコンテンツを掲載又は発表する時、当該コンテンツの開始部分に「好房國際股份有限公司/好房網の董事長及び株主である林淑貞と永慶房屋仲介股份有限公司の董事長及び株主である孫慶餘とは夫婦関係にある」という利害関係を掲示し説明するよう請求することに、理由はあるのか。
好房公司が確かに原告公司の名誉権、信用維持の権利及びグッドウィルの侵害を行ったことは、前述した通りである。しかし原告公司は公平法第29条後段に基づいて好房公司の前述の侵害行為の防止を請求しており、公司の名誉権、信用維持の権利及びグッドウィルの保護を目的とし、それが請求する防止の方法は、つまり好房公司が原告に関する文章、動画、音源又はその他の形式のコンテンツを掲載又は発表する時、当該コンテンツの開始部分に「好房國際股份有限公司/好房網の董事長及び株主である林淑貞と永慶房屋仲介股份有限公司の董事長及び株主である孫慶餘とは夫婦関係にある」という利害関係を掲示し説明することであり、この利害関係を開示する方法を以って侵害を排除、防止することは、その手段と目的との関連性、必要性が十分ではなく、両者は適合するものではなく、比例原則に反し、理由があるとは認めがたい。

(八)(請求の声明第6項の部分)原告が公平法第33条(同法第24、25条違反)規定により、好房公司、永慶房屋が費用を負担して、本件判決書の事件番号、当事者及び主文を聯合報、自由時報及び中国時報の全国版第1面に標楷體12ポイントのフォントを用いて各1日掲載するよう請求することに、理由はあるのか。     
好房公司、永慶房屋には公平法第25条違反の事情があり、好房公司はさらに同法第24条に違反していることは、すでに本裁判所が認定しているものであり、原告公司が公平法第33条規定により、好房公司、永慶房屋が費用を負担して、本件判決書の事件番号、当事者及び主文を聯合報、自由時報及び中国時報の全国版第1面に標楷體12ポイントのフォントを用いて各1日掲載するよう請求することは、根拠があるものである。

以上をまとめると、原告公司は民法第18条第1項前段、公平法第29条規定により好房公司が好房網(https://www.housefun.com.tw)に記載された、及びYouTubeサイト(https://www.youtube.com)に発表された、付表に示される文章、動画を削除するよう請求すること;民法第184条第1項前段、第185条第1項、第188条第1項、第195条第1項前段、第28条、公司法第23条第2項等の規定により好房公司、楊欽亮が連帯して3,000,000万新台湾ドル及び起訴状副本送達翌日、即ち2022年11月28日(起訴状副本は2022年11月25日に送達されたことは本裁判所ファイル二第11、13頁を参照)から支払い済みまで、年5分の割合による金員を週ごとに支払うよう請求すること;公平法第29条規定により被告好房公司、永慶房屋(好房公司の部分についてさらに民法第18条第1項前段、公平法第24条規定による)は自ら又は他人を利用して「信義房屋」の文字を含むキーワードの検索連動型広告を打ってはならないと請求すること;民法第195条第1項後段規定により、好房公司、楊欽亮が連帯して費用を負担し、添付資料に示す事実説明文を、タイトルを18ポイント、文章を14ポイントのフォントで、「好房網」のホームページに7日掲載するよう請求すること;及び公平法第33条規定により、好房公司、永慶房屋が費用を負担して、本件判決書の事件番号、当事者及び主文を聯合報、自由時報及び中国時報の全国版第1面に標楷體12ポイントのフォントを用いて各1日掲載するよう請求すること、にはいずれも理由があり、これを超える範囲については理由がなく、棄却すべきである。

以上の次第で、原告の請求は一部に理由があり、一部に理由がなく、民事訴訟法第79条規定により、主文の通り判決する。  

2023年7月19日
民事第三法廷    裁判官 方祥鴻

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