台湾におけるPL法の現況について 2010-06-22

2013-09-17 その他

20100622 / 20101118 revised

一、行政院消費者保護委員会が公表している統計を見ますと、2009年に同会が受理した争議案件は計41,067件で、2008年度の受理状況と比較しますと、8,128件増加し、増加率24.68%となっています。したがって、製造物責任の争議案件は近年確実に増加傾向にあると言えます。

二、民間団体「中華民国消費者文教基金会」は、近年来消費者権益の認知を広める努力をしており、消費にまつわる紛争のニュースも新聞雑誌などでよく見られます。従って、一般市民の「消費者保護法」関連規定に関する認知度も高くなっています。

三、台湾での製造物責任に関する法律は、「消費者保護法」(以下、消保法と称します)及び「民法」に定められていますので、独立したPL法はありません。商品の通常ユーザー又は消費により損害を受けた人は、民法の権利侵害行為又は売買契約損害賠償の規定に基づき、商品の製造者、販売者、輸入業者に賠償を請求することができ、賠償請求範囲には財産上の損失及び非財産上の損失が含まれます。(民法第191-1条~194条、196条、213~216条)また、商品の製造者、販売者、輸入業者が、商品又は役務について当時の科学技術又は専門水準に合致し、なお且つ合理的に期待できる安全性を確保しないか、若しくは、商品又は役務が消費者の生命、身体、健康、財産に危害を与える可能性がある時に、目に付くところに警告標示及び危険緊急処理方法の表示を行わず消費者に損害を与えた場合、消費者は賠償損害を請求することができる外、別途損害額の三倍以下の懲罰性賠償金を請求することができます。しかし、過失による損害の場合、消費者は損害額の一倍以下の懲罰性賠償金を請求することができるのみです。(消保法第7条~第10-1条、第51条規定をご参照)

よって、商品責任の損害賠償金額は、実際には各案件の損害の程度によって決まりますので一概には言えません。現在、司法実務において判決された損害賠償金額の最高記録は新台湾ドル8億7千万です。これは住宅の傾倒によるもので、裁判所が建設会社に対し、226名の住民にそれにより受けた損害を賠償し、同時に消保法の規定に基づき三倍の懲罰性賠償金を支払うようにとの判決を下したものです。

四、現在台湾で、食品製造業者及び輸入業者は政府が公告している食品について製造物責任の保険に加入しなければならないことになっています。(食品衛生管理法第21条規定をご参照)法律では一般製品全てについてまで製造物責任保険に加入することは要求していません。但し、業者の中には製造物責任保険加入を以って消費者へのアピールを狙う者もおり、商品品質の優位性を示す為に販売時に「この製品は高額な責任保険に加入している」と標榜することがあります。

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