ファミリーマートゲームポイント特許訴訟 知的財産局に勝訴

2015-09-25 2014年

■ 判決分類:特許権

I ファミリーマートゲームポイント特許訴訟 知的財産局に勝訴

■ ハイライト

ファミリーマートは2007年9月頃、経済部知的財産局に「ゲームポイントのフレキシブル購入方法」の特許を出願し、知的財産局による2回の審査の後、進歩性がないと認められ、出願が拒絶され、特許が付与されなかった。しかし知的財産裁判所は先日知的財産局の審査を翻し、知的財産局にファミリーマートの特許出願を許可すべきであると判決した。

知的財産裁判所第一法廷裁判長陳忠行と陪席裁判官李維心及び受命裁判官林洲富による合議体は、本月18日に知的財産局に敗訴を言い渡したが、知的財産局はまだ上訴ができる。

知的財産局はファミリーマートが出願した「ゲームポイントのフレキシブル購入方法」の発明には進歩性がないと認定したが、知的財産裁判所では進歩性の判断は先行技術に基づき、特許の発明又は創作と先行技術とに具体的差異があるか否かについて、じっくり考えるべきであると示した。

合議体では、その差異を認定する際、特許出願の発明又は創作を全体的に判断をしなければならず、その構成要件をそれぞれ考慮するのではないと述べた。言い換えれば、進歩性があるか否かについて判断する際、一部又は数部の引証書類によって判断でき、新規性があるか否かについて考量するときのような単一書類の認定方式とは異る。

この外、ファミリーマートの特許は、「ゲームポイントのフレキシブル購入方法を提供し、購入の金額をフレキシブルに入力した後、消費者は以後チャージするためのプリペイドのパスワードだけを取得し、購入の金額をフレキシブルに入力した後、同時に消費者のIDにチャージするのではない」というものである。しかし知的財産局はファミリーマートの特許方式と現有の取引方式との差異は商品が違うだけだと認めたが、裁判所もこの認定は認めなかった(2014-12-25 工商時報 A21版)。

II 判決内容の要約

知的財産裁判所行政判決
【判決番号】103年度行専訴字第75号
【判決期日】2014年12月18日
【判決事由】特許出願

原告 全家便利商店股份有限公司
被告 経済部知的財産局

前記当事者間に関わる特許出願の件について、原告が経済部2014年6月25日付経訴字第10306105980号訴願決定に不服のため、行政訴訟を提起した。当裁判所は以下の通り判決を下す。

主文
原処分及び訴願決定をすべて棄却する。
被告は出願第96132800号「ゲームポイントのフレキシブル購入方法」の特許出願に対して、特許を査定すべきである。
訴訟費用は被告が負担する。

一 事実要約
原告は2007年9月3日に「ポイントのフレキシブル購入方法」を被告に特許を出願し、その請求項は計21項あるが、被告に審査の後拒絶された。原告は拒絶に不服のため、2012年2月24日に再審査を請求し、並びに特許範囲補正書を提出し、並びに特許名称を「ゲームポイントのフレキシブル購入方法」に改正したが、被告に審査の後、拒絶理由を通知された。原告は2013年11月29日に意見書及び本件特許請求範囲補正書を提出したが、被告に審査の上、拒絶査定処分にされた(以下原処分という)。原告は拒絶査定に不服のため、訴願を提起したが、経済部は2014年6月25日付経訴字第10306105980号決定で棄却した。原告は原処分及び訴願決定に不服のため、当裁判所に行政訴訟を提起した。

二 両方当事者の請求内容
原告は原処分及び訴願決定を取消すとの請求を声明し、被告に特許を付与する査定処分を下すことを命じるよう請求する。
被告は原告の訴えを棄却するとの請求を声明する。

三 本件の争点
引証1から3の組合わせは係争特許出願の請求項1から13には進歩性がないことを証明することができるか否か。よって、当裁判所はまず係争特許出願及び引証1、2及び3の技術特徴を検討し、その後、係争特許出願の請求項と引証を分析比較し、最後に引証1から3の組合わせが、係争特許出願の請求項1から13には進歩性がないことを証明することができるか否かによって、係争特許出願は特許を受けるべきか否かについて認定する根拠にする。

四 判決理由の要約
進歩性についての審査方法:
進歩性の判断は先行技術を基礎とし、産業において元々あった技術基礎において、特許出願の件に進歩性があるか否かについて判断するが、その重点は特許出願の発明又は創作と先行技術との差異が容易に達成しやすいか否かにある。その差異を認定するときは、特許出願の発明又は創作を全体的に判断し、その構成要件をそれぞれ考慮するのではない。言い換えれば、進歩性の要件に合致するか否かについて判断するとき、特許出願の発明又は創作の各構成要件について、逐一先行技術と比較するのではなく、特許出願の請求項の各請求項に記載された発明又は創作を全体的に判断し、属する技術分野で通常知識を有する者又は当該技術を詳しく知っている者が、先行技術に基づいて顕かに知ることが容易であるか、又は出願前の先行技術によって完成しやすいかについてじっくり考えるべきである。よって、進歩性を有するか否かについて判断するとき、一部又は数部の引証書類の組合わせで判断することができ、これと新規性を単一書類で認定する方式とは顕かに差異がある。

当裁判所による本件の審理順序:
原告は引証1から3の組合わせは係争特許出願の請求項1から13には進歩性がないことを証明することができない云々と主張した。被告は引証1から3が係争特許出願の請求項1から13にはすべて進歩性がないことを証明することができる云々と抗弁した。よって、当裁判所は当事者の争点と進歩性判断の手続きを斟酌した上、まず係争特許出願と引証1から13の技術内容、特徴及び範囲を確定し、進歩性の比較及び判断の基礎とし、それから係争特許出願と引証1から3を比較して分析し、引証1から3は係争特許出願の請求項1から13の技術特徴を十分開示しているか否かについて追求する。本件が属する技術分野で通常知識を有する者が出願前の引証1から3の技術内容に基づいて簡単に完成できるか否かということによって係争特許出願の請求項1から13には進歩性があるか否かについて認定する。最後に原告の訴えの声明である訴願決定及び原処分を全て棄却し、被告による係争特許出願が許可されるべきであることに理由があるか否かを判定するものである。

以上をまとめると、係争特許出願の請求項1「ゲーム名称を確認し、購入金額を指定した後、物流サーバーが一つのプリペイドパスワードを生じて電子装置に返送する」という技術特徴は引証1から3に開示されたものではなく、且つ引証1から3と比較すると予測不可の効果がある。全体的に言うと、係争特許出願の請求項1は属する技術分野で通常知識を有する者が出願前の引証1から3の技術内容に基づいて簡単に完成できるものではない。よって、引証1から3の組合わせは係争特許出願の請求項1には進歩性がないと証明するに足りない。

本判決の結論:
以上をまとめると、当裁判所は係争特許出願の請求項1から13及び引証1から3の組合わせを分析比較し、引証1から3の組合わせが係争特許出願の請求項1から13には進歩性がないと証明することができないと認定した。原処分では係争特許出願は特許法第22条第2項の規定に違反したと認め、特許拒絶査定したが、これは適当ではなく、訴願機関が棄却の決定を下したのも合理的ではない。原告はこれを指摘したことには理由があり、且つ案件の事実証拠は明確である。よって、原告による訴えの声明である訴願決定及び原処分を全て棄却すること、及び被告が係争特許出願に特許査定すべきとの主張には理由があるので、許可すべきである。

以上から論結すれば、本件原告の訴えには理由があるため、知的財産案件審理法第1条、行政訴訟法第98条第1項前段、第200条第3号により、主文のとおり判決する。

2014年12月18日
知的財産裁判所第一法廷
裁判長裁判官 陳忠行
裁判官 李維心
裁判官 林洲富

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