台湾出展商品押収 フィリップス、CD-R特許争訟 セビット見本市に飛び火

J060321X1 2006年4月号(J80)

 今年1月19日、フィリップスはCD-Rライセンス供与について「Veeza」という新制度を導入する考えを示し、最近、同社とラインセンス契約を結んでいる台湾メーカーと積極的に新制度への切り替えをめぐるライセンス交渉を行っている。

  「Veeza」を受け入れるなら、今のCD-R一枚当たり0.045ドルから0.025ドルへと、つまりライセンス料44%カットの特典が受けられる。但し、ライセンシー側は詳細な営業情報をライセンサーのフィリップスに提供するほか、過去に遡って出荷量、販売先までを報告しなければならず、またフィリップスは出荷量の報告漏れについても実施料を追加徴収するとしているなどから、これまでのところ、新制度への切り替えに応じる台湾企業はないという。

  新制度では、出荷するたびにLSCDというライセンス証明が必要になる。ライセンス証明の出荷CD-Rへの記載等により、税関をはじめ、貿易会社や小売商等が、特許実施許諾を受けたうえで製造されたCD-Rかどうかを区別することができるし、出荷量についての報告漏れや虚偽報告を防ぐメリットもある。

  一方、3月にドイツハノーバーで開催されたセビット(CeBIT)国際情報通信技術見本市に出展する台湾光ディスクメーカー、国碩のCD-R製品がフィリップスの申立てにより押収されたことが報道されている。フィリップスと国碩の対決は三年にわたってアメリカで行われてきた。米ITC(アメリカ国際貿易委員会)はフィリップスを特許権濫用として国碩製品の米市場への輸入販売差止申立てを棄却したが、去年9月、米連邦控訴巡回裁判所(CAFC)がITCの見解を翻し、再調査を命じる判決を言い渡しており、最終的にどちらが勝つかは今のところ、先行きの見通しがつかない。

  今までの対戦はアメリカ市場が中心だったが、今回は国碩製CD-Rが販売されていない西ヨーロッパのドイツに戦場が移り、フィリップスの動きには警告と見せしめ的な意味が強いとみられる。

  2004年7月、台湾知的財産局がフィリップス所有CD-R特許について国碩による強制実施許諾請求を許可したことで、フィリップス側は「合理的商業条件」と「相当な期間内」についての認定は市場機能に委ねるべきであって、政府がするものではない、とこのほど開催されたセミナーで再び知財局の決定を批判した。同決定への不服申立ては現在審理中。(2006.03)

 

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