ライセンス契約で販売報告等要求が不正競争 フィリップスに過料処分 CD-R巡る紛争 まだまだ続く

J060421Y4 2006年5月号(J81)

台湾公平取引委員会(通称、公平会)は5年近くにわたって調査した結果、フィリップスがCD-Rライセンス契約に「製造設備リスト」と「販売報告書」の提供をライセンシー側に義務付けたことは、技術的に優勢な地位を利用して他社の営業秘密を不当に取得しようとすることであり、取引秩序に影響する可能性が十分にあるため、公平取引法に禁じられている不正競争にあたるとして、フィリップスに600万元の過料処分を出した。

 

2001年、フィリップスは日系企業のソニー、太陽誘電二社と台湾CD-Rメーカーに対する一括ライセンス供与で、それぞれ800万元、400万元、200万元の処分を受けている。フィリップスは今回は不正競争で再び公平取引法に引っかかった。  

 

CD-R製造に必要な技術」はフィリップスとソニーが共同で規格を制定した「オレンジブック」に準拠。台湾メーカーがCD-Rを製造するならば、フィリップスらから特許技術の実施許諾を受けなければならない。しかしながら、フィリップスは複数のメーカーにライセンス供与を行っており、また自社ブランドを使ったCD-R製品をも市販している。即ち、ライセンサーであるフィリップスとライセンシーはCD-R市場においてはライバル同士であり、競争し合う立場にあるということになる。

 

それなのに、フィリップスはライセンス契約のなかで、ライセンシーに前記設備一覧と販売報告書の提出を求めている。そのような文書の内容にはライセンシーの生産能力の利用率、生産量、顧客リストや個別クライアントとの取引状況などが含まれており、ライセンシー会社の経営コスト等市場競争に関わる重要な情報も入っている。ましてや、これらの資料はライセンス料の総額の算定とは密接に関係しているとは考えられない。

 

 以上のことから、フィリップスはCD-Rライセンス契約交渉における優勢な地位を利用して、ライセンシーの会社経営コスト等重要な情報を手に入れようとする狙いがある。これにより、双方がCD-R市場では不正競争となり、まさに取引秩序に影響し、著しく公正さを欠く行為であると公平会は認定し、かかる行為を直ちにやめるよう命じるほか、600万元の過料処分を下した。(2006.04

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