フランス化粧品商標訴訟 ランコム請求棄却、最高行政裁判所

J060330Y2 2006年4月号(J80)

 1998年9月、台湾企業「迪施雅国際公司」は化粧品、クレンジングローション、マスク、アロマオイルなどを指定商品に「photogenic」(以下、係争商標)について商標登録を受けている。ところが、フランス化粧品会社ランコムは、係争商標は同社がオリジナルな発想で創り出したという外国登録商標「PHOTOGENIC」(以下、引用商標)と同一で、また「PHOTOGENIQUE」にも類似するとして、商標不登録事由に該当し、知的財産局に異議を申立てたが、異議不成立とされ、最高行政裁判所まで争っていた。

 台湾最高行政裁判所は判決で、ランコムは、「引用商標が世界各国で商標登録を受けており、「迪施雅」はランコムと業務上取引関係があったことから、引用商標が存在することを知り、それを意図的に襲用した」と主張するが、それを立証できなかったため、ランコムの請求を棄却する判決を下した。  

 ランコムによると、同社は化粧品や香水などのブランド品として世界に名を馳せる大手企業であり、ランコム(Lancome)の商標を付けた商品は海外で人気売れ筋商品であり、台湾でも化粧品中のブランド品のような存在である。ランコムは1996年に引用商標を創り出し、翌年からアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国で次々と商標として出願し、登録されている。しかしながら、著名商標として消費者に広く認識されているのは「Lancome」であり、引用商標については、どこの国で商標登録を受けているかを記載する一覧表を除き、実際に使用されている証拠若しくはそれを商標として付けた商品の販売情報などを一切提出していない。 

 一方、知的財産局は、「ランコムは、迪施雅がどのようにして引用商標の存在を知ったかについての説明がなく、引用商標が使われた化粧品が国内外に販売されている証拠も提出しなかった。まして『photogenic』は英語で写真写りのよい意味で、オリジナルな文字の組み合わせとは言えない」と反論する。(2006.03)

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