知財権侵害訴訟での保全手続きが厳格化へ 知財案件審理法、申立人に理由の釈明が必要

J060223Y6 2006年3月号(J79)

 司法院が提出している「知的財産案件審理法」(草案)は民事訴訟法の関連規定の適用を排除し、知的財産権侵害訴訟において仮差押や仮処分を申立てるには、一定金額の担保金を提供するほか、申立の理由を釈明しなければならないと定める。これまでの特許権侵害訴訟では、相手方の事業活動に影響を及ぼそうという狙いで、保全手続きを運用することが多かった。 

 草案第22条第2項により、暫定的状態の処分(日本の「仮の地位を定める仮処分」に相当)を定めるよう裁判所に申立てるときには、申立人は争いのある法律関係について、即時調査の証拠を提出し、なぜ処分が必要か、その理由を釈明しなければならない。十分な理由がなければ、申立ては棄却されることになる。但し、同規定は特許権、商標権、著作権等知的財産権関連事件にのみ適用される。

 特許権侵害に関する刑事罰が廃止されたのに伴い、特許権に関する民事損害賠償訴訟が激増している。実務上、権利者が担保を提供して暫定的状態を定める処分を申立てることによって、権利侵害者とみられる相手方会社による権利侵害物品の製造・販売を差し止めることが多い。なぜなら、民事訴訟において本案判決が出るまで少なくとも3∼4年ぐらいはかかる。その間に、権利者が侵害行為を素早く排除するためには仮処分や仮差押といった保全処分が最も効果的かつ便利的な手段であり、場合によっては訴訟の結果よりも抑止力があるからである。(2006.02)

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