「罪状認否交渉」の適用範囲は審判中の事件にまで拡大

J000503Y9 2000年6月号(J12)

「罪状認否交渉」制度はさらに一歩前進した。事件の早期終結をねらって、司法院刑事訴訟法研修委員会が採決した改正草案では、「罪状認否交渉」の適用範囲が拡大され、捜査中は検察官が交渉を申し立てるほか、被告が第一審の口頭弁論終結前に、又は簡易判決が言い渡される前に罪を認めたときは、裁判所は被告若しくは弁護人の申立てにより、又は裁判官が直接職権をもって被告が受け入れ得る刑又は刑の施行猶予について交渉に入ることを決定することができる。上訴ができない事件について「罪状認否交渉」を経て判決を下した場合は、筆録(書記官によって記載されたもの)をもって判決書に代わることができるので、裁判官が判決書の作成に費やす時間は大幅に縮減される。

また、「罪状認否交渉」の効率を上げるために、検察官又は裁判官が交渉中に被告に対して被害者に一定金額の賠償金の支払いを命じることについて、被告が同意したときは、その旨を筆録又は判決書に明記しなければならない。賠償金をめぐる交渉についての記載は民事上の強制執行の効力を有し、その後被告が履行しない場合には、債権者は民事訴訟を起こすことなく、かかる記載を根拠に強制執行の申立てをすることができる。

  我が国の「罪状認否交渉」制度は199712月法制化されたが、簡易判決の軽罪にのみ適用されるので、効果が今一つ上がらない。したがって、司法院刑事訴訟研修会は刑事訴訟法第376条に定める「例えば、背任、横領など五年以下の罪」に適用対象を拡大することとし、交渉を経て二年以下の懲役、拘留、罰金に処し、又は刑の執行猶予を言い渡された者にも適用されることになる。

  交渉は裁判官、検察官及び被告が主体となって行い、被告が交渉を進めるときに力不足でその権益を害されないように、新たに条文を設け、一年以上の有期懲役についての交渉の場合、被告に弁護人が付かないときは、裁判官又は検察官が公設弁護人又は弁護士を指定して弁護させなければならない。但し、被告が弁護人を付ける必要がないと主張したときはこの限りでない。

  このほか、交渉が破局を迎えた場合には、被告人保護のために、交渉中における被告の供述が本件又はその他の事件で被告に不利な証拠として使用されることのない旨の規定をも設ける。

 

2000.5.3 自由時報�聯合報より

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