「人体の探索展」、他人の創作を真似た疑い ドイツ解剖学者が提訴 人体標本が著作物に当たるか?

J050602X3 2005年7月号(J71)

 台湾各地を巡回してきた「人体の大探索展」に展示されていた人体の標本の一部が、台湾経済発展研究院の鑑定を経てドイツのダンター・フォン・ハーゲンス博士が創意工夫した人体標本の「美術的」創作性を利用して作られたものにあたるとして、主催会社が著作権侵害の疑いで告訴された。しかしながら、人体標本を展示すること自体は美術の範囲に属するものか、科学的で啓蒙するものか、意見が分かれている。

 

人体標本に施されたプラスティネーション(Plastination)技術は、ハーゲンス博士が発明したもので、彼は数カ国で同技術の特許を取得している。鑑定の結果によれば、「人体の大探索展」に展示されていた30体の人体標本のなかで、博士が創作したものによく似た格好をしている標本が6体あり、うち5体は「複製」されたものに属し、外観にしても表現の姿にしても、ハーゲンス博士が考案したものに類似する度合いが高く、残りの1体は原作品に新たな創作性を加えて改作されたものという。

 

担当検察官の話しでは、「人間の思想を守るために著作権法を制定し、これによって科学的、教育的、美術的創作物を保護している。同法では著作者は美術的著作物或いは写真著作物を公開展示する権利があると明確に定めているが、プラスティネーション処理が施された人体標本は一体どういう範囲に属するものか、本件の捜査で明らかにすべき問題点である。」

 

被告会社は、「確かにハーゲンス博士はプラスティネーション技術を生み出した元祖ではあるが、その特許権の権利期間はとっくに過ぎている。『人体の大探索展』に展示されていた人体標本はアメリカの技術を利用したもので、ハーゲンス博士とは何ら関係がない。まして、人体の標本は解剖に関する知識が応用された結果からくるもので、著作権の対象とされるべきものではない。」という声明を発表して権利侵害を否認している。(2005.06

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