「日の丸」に似たアイスバー、公知のため　疑問視される意匠権登録

　日本の国旗「日の丸」によく似た形をするアイスバーが今、台湾中部の台中市で人気商品となっているらしい。その名もなんと「日本氷」というのだ。あるアイスバーのメーカーは去年（2004年）5月にその「日本氷」に関する意匠登録出願をし、今年2月1日に知的財産局がそれを公告したのを受けて、本格的に生産を始め、フランチャイズ加盟店を募集しようとする矢先に、「日本氷」はすでに幾多の他業者によって市場に大量出回っていることに気づき、権利侵害を訴える考えを表明するという面白いニュースが報じられている。

 

「日本氷」の製造販売業者らは異口同音に「丸くて平たい形のアイスバーは1年か2年ぐらい前から市場に出ている。誰が一番最初に考案したかを探ることは難しい。皆が儲けることなら、それでいいのではないか。特許権、実用新案権、意匠権が侵害されたことは民事紛争だから、他社に日本氷の生産を止めさせるなんて容易なことではない。」と話している。

 

二年程前から「日本氷」のネット販売を始めたという業者Cは昨日、その裏づけ証拠を提出し、「日本氷」は公知のものであることを指摘したうえ、知的財産局に「日本氷」に係る意匠登録についての無効審判請求をする意向を明らかにした。

　

2003年の専利法（台湾では日本の特許法、実用新案法、意匠法三法をまとめて専利法という）改正で刑事罰が全面的に撤廃され、特許権をはじめ、実用新案権、意匠権への侵害は民事紛争として解決されることになり、権利者は自ら進んで証拠を集めて裁判所に提訴し、救済を求めるしかない（注：刑事罰の廃止のために削除された条文は同年3月31日から施行）。（2005.04）