商標と他社の社名が同一又は類似 不登録事由に該当するか? 社名の著名さと混同誤認の有無が決め手

J041215X2 2005年1月号(J65)

 商標が商品或いは役務の出所を表示する標識であるのに対し、会社名称は企業の主体を確認するのに役立つ表徴である。実務上、商標と会社名称が類似してトラブルになったケースはよく見られる。商標と他人の会社名称の主要部分が同じだから、商標法の関連規定に抵触して不登録事由に該当するかというと、必ずしもそうではない。

 

  過去にこういう事例があった。ある会社「A」は、先に設立された他社の知名度の高い社名「丸々」を商標としてハンドケアソープ、洗濯洗剤、柔軟剤、台所用洗剤等商品についての使用を指定して登録出願をした。すると、事情を知った「丸々」社から異議申立があったため、登録を取消しされた。丸々社がいうには、「数十年にわたって使用してきた『丸々』は同社社名の主要部分であり、マークでもある。オリジナリティーの高い「丸々」はとっくに同業界や消費者によく知られている。それをA社が商標登録出願をしたということは、いうまでもなく商標法違反である。」知財局において審理したところ、丸々社の社名の主要部分である「丸々」は同業界や消費者の間で広く認知されていて著名になり、A社がそれを商標として登録出願し、そのうえ商標使用の指定商品もまた丸々社の営業項目とダブったことから、客観的にその商標が表示しようとする商品の出所或いは製造販売の主体を丸々社と連想させ、ひいて混同誤認を引き起こすおそれがあるとして、商標法第23条第1項第16号により商標登録を取り消すこととした。(2004.12

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