著作権法改正案、行政院を通過 国会提出へ

J030327Y3 2003年4月号(J45)

アメリカがスペシャル310条に基づいて優先監視対象と指定する国のリストを発表するのを前に、今会期での法案成立を目指して政府より提出の著作権法改正案は昨日、行政院を通過し、優先法案として近々立法院に送られる見通しとなった。今回の改正で、海賊版光ディスクの製造・販売を非親告罪とし、常習犯に科される刑期については7年以下の懲役を維持しながらも、罰金の上限を現行の45万元から800万元に引き上げる。このほか、公開伝達権、頒布権を新設して、文字、録音、映画等の著作物の電子方式による伝達を制限する。

 

改正案のポイントは次のとおりである。

 

1.「一時的複製」を「複製」の範囲に含むように定義を修正するとともに、「複製権」行使の排除規定を新たに設け、インターネット上のコンテンツ或いは著作物の合法的利用は著作権者の同意を不要とする。

2.公開伝達権の新設。他人の著作をインターネットに流すときは、事前に著作権者の同意を得る必要がある。将来的にはサーチエンジングも規制の対象に加え入れる。

3.頒布権の新設。海賊版販売に携わる商店、露天業者等は「海賊版であることを知らない」と言い逃れて責任を免れることができないようにする。たとえ過失があったとしても頒布権を侵害する民事責任がある。故意による場合はさらに刑事責任を負わせる。消費者が模倣品であることを知らないで購入した場合は法律責任を免ずる。

4.録音著作物の公開再生演奏に関する報酬請求権の新設。デパート、一般の小売店、飛行机、或いはレストラン等録音著作物を利用するこれらの施設に対して報酬を請求する権利が著作権者に与えられる。

5.技術的保護手段の回避の規制。コピーガードキャンセラーの製造、販売又はこれを用いたサービスの提供をしたものは民事、刑事責任を問われる。保護手段に用いられる暗号技術を解除できる装置を個人が使う場合は民事責任のみを負う(刑罰の対象外)。

6.電子的権利管理情報の改変等の規制。著作権者に関する権利管理情報を許諾なくして除去し又は変更することができない。例えば、無断で許諾の条件を無料使用できるように書き換えること。

7.合理的利用の規定の改正。政府機関の名義で発表された著作、及び新聞紙、雑誌、ネットワークに掲載された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説は、ネットワークで公に伝達できるように改める。

8.営業の目的で海賊版コンピュータプログラムの著作を利用する責任を明確に定める。過失により海賊版ソフトを使用するものは民事責任を負う。故意による場合は民事責任のほか、刑事責任も問われる。

9.著作権侵害の民事責任に関し、一般の損害賠償の上限を現行の50万元から100万元に、故意により、かつ犯罪の情状が重大な場合、その上限をさらに500万元にまで引き上げる。

10.著作権侵害の刑事責任に関し、海賊版ソフト、映画VCDや音楽CDを販売したものに科される罰金刑の上限を現行の45万元から800万元に引き上げるとともに、非親告罪とする。

11. 海賊版の輸出を抑止するため、税関が自ら進んで侵害物品を押収できる旨の規定を追加する。

12.司法警察が著作権侵害物品を直接没収できるように定め、海賊版販売により得た金銭収入の所有者が不明な場合、国庫に納めることとする。

13.遡及保護が適用される前の猶予期間中に、著作物を利用するための報酬を支払わなければならず、WTO加盟前、及び加盟した後の二年の猶予期間内に作られた複製物は猶予期間満了後、再び販売或いは貸与をしてはならない旨の規定を置く。

 

  一方、今回の改正で著作権保護期間を著作権者死後70年にまで延長するようというアメリカ側の要求には譲歩しない立場を表明した。
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