著作権法改正案が国会審議入り　厳罰化に反発強まる

著作権法の一部を改正する案は昨日、立法院経済･科学技術合同会議で初審が行われ、著作物の無断複製を業とする常習犯、及び海賊版を販売若しくは頒布する者に対して現行の親告罪から非親告罪に改めるほか、6ヶ月以上5年以下の懲役に処するなど刑事罰の大幅強化も議論を呼んでいる。一部の立法委員（国会委員）から、著作権侵害への罰則を「放火、教唆殺人」等犯罪行為のそれと同じ程度のものにするのは一週間後に控える米政府による301条項に基づく監視リストの発表からの圧力を受けてのことだと改正案の内容を疑問視する声が出ている。

 

著作権法改正案の国会審議入りとほぼ同時に、台湾反海賊版連盟、反知的財産悪法行動連盟はそれぞれ攻防戦を繰り広げ始めている。前者がプレス発表で今回の著作権法改正に支持を表明するのに対し、後者は法務部の前でプレゼンテーションを行い、国民の権益にかんがみて著作権法の改悪を直ちに取り止めるよう政府当局に訴えた。

 

台湾反海賊版連盟により、国民平均年収が1万ドルを超える国の中で台湾の違法コピー率が最も高く、海賊版業者は暴利を取るが、その代わりに国民全体が高価な代償を強いられている。このまま放っておけば、台湾で最も価値のある産業の根幹が倒れ崩れていくという。

 

しかし一方では、学生団体と社会運動団体からなる「反知的財産悪法行動連盟」は、今回の改正案に盛り込まれた「一時的複製」、「非親告罪の範囲の拡大」、「技術的保護手段」、「頒布権」等規定の新設について、国民の生活への影響が甚だ大きいとして反対の立場を示している。