知的財産権保護強化、海賊版 緩やかな減少傾向

J060427Y6 2003年5月号(J46)

台湾における知的財産権保護の状況に目をつけている米政府は台湾司法当局の法執行の成果に不満があるようだが、実際、ここ数年間、政府当局は知的財産権の保護強化に吝かでない。海賊行為の取締り及び知的財産権侵害の摘発に関するあらゆる情報をキャッチするため、台湾高等検察署は「知的財産権保護行動プロジェクト報告会議」を設けて、検察・警察等捜査機関の活動や行動計画の執行状況について定期的にレポートするほか、内政部警政署も総勢220人を配属して「知的財産権保護警察大隊」を発足させ、取締活動に当っている。これ以外にも、台湾各地で一斉捜索を行うなどしてコピー商品の摘発に投入される捜査員の規模はこれまでに類をみない。

 

内政部の統計によると、1998年から20033月現在までの五年間、警察が検挙した知的財産権侵害事件の件数は1998年の1748件、1999年の2568件、2000年の4304件、2001年の5270件、2002年の5118件、2003年の1月~3月までは458件となっている。その統計数字に見られるように、台湾での知的財産権侵害事件は最初の逐年増加から、緩やかながら減少する傾向を示している。

 

最近、関係者から関心が集まるのは行政院より提出の「著作権法改正案」。草案では、海賊版の販売を非親告罪で論ずることにすることついて、海賊版で売上げが伸び悩むポップミュージックエンターテイメント業界は大歓迎の意を表明し、警察や司法機関の厳しい取締りによる海賊版の撲滅に大きな期待を寄せている。しかしながら、当局のこれらの一連の動きに反発する声も強まる一方である。権利者の保護と知的財産の合理的な流通との利益衡量が争点となっている。法曹界から、海賊版が横行する原因を究明せず、ただ刑罰を重くするだけでは、問題の根本的な解決が図れないとする意見も出されている。各国の現行著作権法を見ると、著作権侵害を非親告罪とする国は数が限られている。台湾はその数少ないなかの一カ国である。

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