世界初、民事訴訟担当裁判官を自由に選択 1年間試行

J030521Y9 2003年6月号(J47)

 「合意による民事訴訟担当裁判官の選定に関する暫定条例」は20日、立法院会議を通過したことで、今後民事訴訟を起こすときには、原告と被告さえ合意すれば、百名余りの民事法廷(家事法廷、簡易法廷を含む)の裁判官から双方がお気に入りの裁判官を選んで、審判を行ってもらうことができる。選ばれた裁判官は原則としてこれを拒絶することができない。本法案の立法趣旨は、訴訟の負担軽減及び司法資源の節約にある。

 

 過去に例のないこの制度は公布の日から3ヵ月を経過した後に1年間施行し、運用の状況や成果をみて施行期間を延長するか、或いは直接「時限立法」による時間制限を撤廃するかを決める。

 

 司法院の楊仁壽秘書長(事務総長)の審査段階での報告によると、公益を害しないということを前提に、当事者の手続きの選択権を尊重し、当事者自身が関わる訴訟で裁判官を選択する権利を与えることにより、国民の裁判に対する信頼を高め、さらに訴訟の負担軽減及び司法資源の合理的分配という目的を達成し、国民の法及び訴訟手続きにおける主体性を確立することに主眼が置かれた、と報告している。 

 

 本条例第2条は裁判官の選任の時期及び方法に関する規定で、起訴時に、又は第一回口頭弁論の期日前に担当裁判官を選定しなければならず、準備手続きに入るときは、第一回の期日の前にこれをする。当事者は原則として独任の裁判官を選んで裁判を任せることができる。法の定めるところにより、一審の段階で合議制にしなければならない、又は合議制により裁判を行うことができる場合、三人の裁判官を選任して裁判に当らせることもできる。   

 

 一旦選任された以上、第6条によりこれを変更又は撤回してはならない。裁判官が離職し、或いは審判に従事することができない場合に限って、期限内にほかに担当裁判官を選任することが認められる。三人の裁判官の選出に合意に至らない場合、第2条第3項により、まず当事者が各自で一人の裁判官を選んで、それから選び出された二人の裁判官が共同でもう一人の裁判官を推薦して合議制を構成する。 

 

 3条と第4条は、裁判官の担当事件の均衡性を考慮して、裁判官が選定を受ける事件の数の限度を定める。限度を超える場合、裁判所は事件を繰り下げなければならない。当事者は繰り下げに同意しない場合、新たにほかの裁判官を選ぶか、裁判官選任の請求を撤回して裁判所が通常の方法により抽籤で事件を分配するかのどちらかによって決める。 

 

 5条は情報公開に関する規定である。訴訟当事者が裁判官を選択するに当っての参考資料として、裁判所は随時に選定を受けられる裁判官の氏名、及び毎月の初めに裁判官の受理事件数、受理事件の繰り下げと裁判官の異動状況を公告しなければならない。 

 

 7条は「飛躍上告」に関する手続き規定である。つまり、裁判官選任の訴訟事件について、判決に不服のあるものが第二審裁判所(高裁)にではなく、最高裁に対してのみ控訴又は抗告をすることができる。最高裁が原判決を破棄した場合には、原則として自ら裁判をしなければならない。

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