先住民の訴訟権を保障 司法院にて専門法廷設立検討中

J030723Y9 2003年8月号(J49)

実質的法律上の平等の追求は、先住民族の訴訟をする権利を確保することにあるといった理念に基づいて、司法院の関係者とともに先住民族であるマオリ族の土地問題に関する紛争を扱うマオリ土地裁判所(Maori Land Court)の視察にニュージーランドを訪れた学者や弁護士らが、帰国後「原住民専業法廷」の設置を提言した。これを受けて、司法院は先住民族の保留地に関する訴訟事件が比較的多い花蓮、屏東、南投の裁判所に「原住民専業法廷」を試しに設けることを検討していることを明らかにした。

 

法曹界の関係者がまとめたレポートによると、先住民専門法廷が取り扱うべき事件は、先住民の保留地に関する民事及び行政訴訟事件、並びに被告人が先住民で又は犯罪行為地が先住民の保留地だったという刑事事件と設定され、先住民族の特別立法、例えば少年事件処理法を手本に「先住民司法事件処理法」を制定したり、「専属管轄」の立法化を推進したりするなども中長期的目標として掲げられている。

 

台湾の各級裁判所に設置されている専門法廷一覧

裁判所

専門法廷

先住民専門法廷

普通の裁判所

法により少年事件及び家事事件を専門的に扱う法廷を広く設け、また一部の裁判所には必要があるときは治安、交通、知的財産権関連事件を専ら扱う法廷も設ける。

なし

行政裁判所

最高行政裁判所

知的財産権専門法廷、公平取引法専門法廷

なし

台北高等行政裁判所

土地徴収及び補償専門法廷、営利事業所得税専門法廷、知的財産権専門法廷

なし

台中高等行政裁判所

環境保護事件専門法廷

なし

高雄高等行政裁判所

関税専門法廷、労働者関係専門法廷

なし

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