行政裁判、地名商標 商品の出所混同を禁ずる

J030815Y2 2003年9月号(J50)

台北高等行政裁判所はこのほど、「大成長城企業」が干し肉等肉類の加工食品について使用する商標『大成鹿野』に係る登録出願に関し、係争商標の要部となる『鹿野』について消費者に商品の供給源又は生産地を混同誤認させかねないとして、「大成長城」が提起した本件訴訟を棄却する判決を言い渡した。判決書で、『大成鹿野』シリーズ商品の広告には「ここに放し飼いにされる鶏は自然に親しんで健やかに成長している」云々という謳い文句が出ており、くわえて、「チキンエッセンスは鹿野農場からの地鶏で作られる」と言い立てていることから、消費者が連想して、商品の産地と思い違いする可能性があるとしている。

 

これに対し、原告は、「『鹿野』は台東県の観光地で、天候、土壌、雨量等気候上の条件が揃い、お茶の生産で知られている。『大成鹿野』が商標として丸ごと焼き鳥、フライドチキン、チキンエッセンス等商品表示に使用されるからといって、消費者がそれを台東県の鹿野で産出されるものと誤認して購入することはない」と主張。同社はまた、次のように述べている。「国内において地名を商標として登録を受けている前例が少なくない。指定商品が有名な生産地又は集散地でない限り、地名が含まれる商標でも登録を受けられる。『大成鹿野』が使用された商品は予てから大型量販店やコンビニで販売されており、消費者によく認知されている識別性をもつ表示であって、誤認を生じさせるようなことはまずなかろう。」

 

知的財産局は、本件に関し「商標法第37条により、公衆に商品の性質、品質又は産地を誤認させるような商標は、登録を受けることができない。台東の鹿野は近年、人気のある観光地となり、お茶の生産で知られているほか、牧場や農場もあり、国民にとって自然の美しい町である。これを商標にすると、消費者に混同誤認を生じさせるおそれがある。」との見解を示している。

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