行政裁判、登録開放以前の立体商標も保護される

J030812Y2 2003年9月号(J50)

台北高等行政裁判所は最近の判決で、現行商標法では立体商標が保護される対象になっていないが、他人の著名商標に類似する図案やキャラクターに係る出願についてはやはり登録が認められないとする見解を示している。

 

本件訴訟において、台湾三麗鴎(サンリオの台湾法人)社は、「いちごキティ」は同社の周知商標「HELLO KITTY」をもとに派生的に創り出した変身キティシリーズの一つであり、キティと同じ特徴をしていて、両方には一貫性がみられ、商標の類似を構成するとしたうえ、「松林紙品」社の登録済み商標「Hat Family」のデザインがキティと瓜二つだという点は、興信所「蓋洛普」が実施した調査で調査を受けた対象の七割以上が「Hat Family」も変身キティシリーズの一つと思うと答えたことに示されているように、明らかに消費者に混同誤認をきたしているから、その登録を取り消すべきだ、と主張した。これに対して、その相手方となる経済部は、「わが国商標制度は登録主義をとっており、いちごキティは商標登録を受けていない。いちごキティのぬいぐるみやキーホルダーなどのキャラクターグッズ、つまり外国の立体商標を商標法が保護する対象として認定するには、現行制度からして適法性の問題がある。」と指摘し、現行商標法違反を理由に挙げている。

 

一方、「松林紙品」は、「いちごキティは単なるグッズのデコレーションに過ぎず、商標ではない。たとえ『Hat Family』といちごキティのデザインが似ていたとしても、それは著作権に関わる問題で、著作権法の基本原則の下では著作物だけが保護され、創作の概念及び構想には保護が及ばない」と云々している。

 

理由はともあれ、商標法第37条により、商標の図案が他人の著名商標と同一で又はこれに類似して、消費者に混同誤認を生じさせやすいものは、登録をうけることができないとあり、現行商標法は立体商標を規定の対象としていないが、いちごキティがその有名な「HELLO KITTY」の変身キティシリーズの仲間であるからには、Hat Familyの商標登録は認められないとの判決が下った。

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