他人の特許工法を無断で使用?法務部と高裁を相手に特許侵害訴訟提起

J031028X1 2003年11月号(J52)

竣工したばかりの法務部第二庁舎(司法ビル)の敷き床に関する工法をめぐり、他人が所有する特許工法を無断で使用したとして、特許権者は、法務部長官のほか、庁舎の建設工事を監督するために設置された委員会を構成する一員でもある台湾高等裁判所を相手取って、工事費1700万元余りの床タイルの取り除きを求める訴訟を起こした。この事件は、今月29日に台北地方裁判所民事法廷にて第一回の弁論が行われる予定で、注目を集めている。

 

係争工法は磁石が鉄を吸い付ける性質を利用し、第一層にプラスチック系床タイルや磁気タイル、第二層に磁化されたゴム磁石、その真下に電力・通信用配線がしやすいように中空スチールを置く、という三重床システム工法である。1986年に係争工法に係る発明が特許出願され、特許査定を受けており、特許権存続期間は1986から2015年までとなっている。

 

特許権者の許諾を受けていないにもかかわらず、法務部の新築庁舎の各フロアの床工事に係争工法を勝手に実施したと主張する原告によると、工事に採用された床工法が係争特許工法の発明特許範囲に入ることが鑑定の結果で証明されたから、権利侵害の排除を要求したという。

 

高裁は答弁で、「床工事の材料選定にあたり、建築士は採用技術に関する資料の提供を床工事の専門業者に問い合わせた際、特許権侵害といったような指摘が全く浮上していない。また、新築工事担当の建築士も、磁石が金属を吸い付けるという原理を専門の請負い業者が床工事に活かしたやり方は業界で流通する工法だと言っている。これについて、原告はやはり立証すべきである。しかも、『工程規範総則』の定めるところによると、特許使用の問題に関わる場合は請負い業者が責任をもって処理することとなっている。」と述べ、そのうえ「たとえ床工法が原告の特許権を侵害したとしても、1700万元余りをかけてようやく敷設が完了した床を取り壊したら原告の何の得にもならない。それどころか、他人に重大な損害を生じさせ、明らかに公益に反する」と強調している。

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor