知的財産セミナー開催、EUから違法コピー取締強化要請 海賊版問題深刻化というIFPIの指摘にIPOが反論
J031008Z5 2003年11月号(J52)
台湾とEUが互いに経済貿易事務所を設置して以来、初めて共催で知的財産権セミナーを開催し、台湾、香港、EUから20名近くの専門家や学者、政府代表が一堂に会した。欧州商務協会知的財産権委員会主席のJohn Eastwood氏はセミナーの会議で、台湾の海賊版問題でヨーロッパ企業の年間損失は数百万ユーロに達し、そのうち、音楽CD、ブランド品、酒類及びテクノロジー業界が最も大きな損害を受けており、日増しに深刻化する知的財産権侵害問題は重要視されるべきである、と述べている。
IFPI(國際レコード産業連盟)代表のIain Grant氏は「台湾音楽界はいかに海賊版に対抗するか」というテーマについて講演した際、次のように台湾を批判している。「台湾で売り出された音楽CDは三枚に一枚が海賊版で、世界で最も海賊版が氾濫する国トップテンに、スペイン、ポーランド、タイ、中国等とともにランクインしている台湾での海賊版使用率が年々増え、去年の海賊版生産高は4600万ドルにのぼっている。去年、台湾は76億枚のブランク光ディスクを出荷しており、この出荷量は台湾国内市場の需要量を30倍以上も超えている。生産過剰の状況下で、光ディスク製品が他国へ大量流出し、IFPIで摘発した海賊版に使われるブランク光ディスクの8割は台湾で生産されたものである。」
同氏が語る台湾の海賊版問題に対して、台湾知的財産局は事実をよりはっきりさせるために直ちに次のとおり説明した。「新法(著作権法)が施行されて以来、海賊版の摘発は大きな成果をあげている。調査結果の公正性、合理性を人々が自ら判断できるようにIFPIがその調査方法を公開しなければ、台湾のイメージをひどく悪くすることになる。」。また、知的財産局の蔡練生局長も「そのような言い方は受け入れられない」とGrant氏の見解に同調できないという意思を丁重に表明した。これに加えて、経済部光ディスク協同捜査チームの副責任者、邱一徹氏の話しでは、台湾は知的財産権の保護に力を入れており、また貿易の自由化が進んだ国でもあり、ブランク光ディスクを台湾で生産しなくても、他の国が代わりに生産するし、輸出と生産過剰はイコールではない。