英TESCOが商標侵害？ 台湾東元TECOに敗訴の行政判決下す
J020110X2 2002年2月号（J32）
商標権をめぐって、台湾大手家電メーカー東元電機（TECO）と台湾小売り市場を狙って積極的にアタックしてきた英国の代表的なスーパーである「TESCO」、及び知的財産権関連事務の主務官庁である経済部知的財産局の間に戦争が繰り広げられている。東元電機は、TESCOが1997年に為した商標登録出願について登録許可の決定をした知的財産局は同社商標権を侵害しているとして行政訴訟を起こした。この事件について、台北高等行政裁判所は先日、東元電機に敗訴判決を言い渡した。
TESCOはイギリスにおける最大手小売業者であり、世界各地に販売拠点を設けている。同社により、TESCOは世界大手企業五百社のランキングで上位にランクされている会社で、そのスーパーや取次商品は広く世界市場に流通している。他方、東元電機は単なる台湾現地の会社で、家電製品を専ら製造販売していることから、TESCOが提供しているサービスと異なり、消費者に混同誤認などを生じさせる可能性が非常に低い。
台北高等行政裁判所は判決で、「TESCO」と「TECO」には一文字の差だが、東元の商標構成は中国語「東元」、外字「TECO」及び三角形の図形からなっていて、単純に外字「TESCO」で構成されている商標とは全く異なるので、消費者が両者について誤認するようなことはないはずである。また、一般の消費者は東元電機の製品を「東元」から作られたものであると認識し、消費者にとって「TECO」より、「東元」に対する印象が強いとしている。
