商標権巡りアディダスの負け越し 台湾ブランドJUMPが二連勝 高等行政裁「JUMPの先願商標に類似」、26カ国で訴訟 この判断は台湾だけ

J060518Y2 2006年6月号(J82)

三本の斜線とブランド名(adidas & 3-stripe device)を組み合わせた商標の有効性(下図をご参照)をめぐり、アディダスと台湾スポーツブランド「JUMP」は26カ国で訴訟を繰り広げている。先日、台湾高等行政裁判所は、アディダスの商標は指定商品の衣類に使用してはならないとする判決を言い渡し、去年11月の判決(指定商品が靴類の商標)に続いてJUMPが二連勝になるわけだが、アディダスとの訴訟でJUMPが勝訴したのは台湾にとどまりという「手放しで喜べない」状況もまた事実である。

 

判決では、アディダス商標(下図一)はJUMPの先願商標(下図二)に類似し、消費者に混同誤認を引き起こすおそれがあり、出願が後のアディダスは引き続き当該類似商標を衣類に使用してはならないと、知的財産局の審決と経済部の訴願決定を維持する見解を示している。原告は、アディダスは世界に名を知られた著名商標であり、消費者が二つの商標を間違えることはないと主張するが、アディダス社が所有する幾つかの商標のうち、裁判所が著名性を認めたのは、長さが同じの三本の直線で構成されたものだけ。JUMPの商標に類似するとされる図一の商標について提出した新聞紙、雑誌、カタログ、レシート等資料の日付はすべてJUMPの商標登録出願より後の1998年以降のもので、似通った両商標が長年台湾市場に併存しているということの証明にはならない、とした。(2006.05

(図一)(図二)

 

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