TSMC、12インチウェハファブ秘密情報を中国企業に漏らしたとして元社員を告訴

半導体大手TSMCは先日、元専門プロジェクトの責任者だった女性社員を同社12インチウエハーファブに関する重要な情報をライバル業者の上海「中芯集成電路公司」に漏らしたとして告訴した。

 

TSMCによると、当該責任者が業務上の便宜を計らって、他の社員から会社所有の12インチウエハーファブに関する設計図やウエハーのプロセスや方法などの秘密情報を盗んで、ウェブサイトで開設した無料メールアカウントを利用して「中芯集成電路公司」の重役に情報を送った。

 

同元社員は既に「中芯公司」の株主になり、かつ重要幹部を務めていることから、検察側では、事件の背後には不当な利益供与があったのではないか、計画的な産業スパイ行為とみて、裏付け捜査を進めることにしている。一応、刑法の窃盗、横領、背任等の罪を犯した容疑があるとはいえ、国境を越え、中国に拠点を置く「中芯公司」に訴追の手が届かず、結果的に法的責任の追及は民事損害賠償及び知的財産権侵害の道だけが残されるだろう。警察の調査も、今のところ電子メールによるコンピュータ犯罪にとどまっている。

 

経済日報2002.03.07より