P2PサイトのezPeerがIFPIと和解 合法的な交換サービス展開へ

J060630X3 2006年7月号(J83)

ピアツーピア(P2P)による音楽ファイル交換の違法性をめぐる裁判をきっかけに、台湾の合法的なオンライン音楽配信サービスが去年より相次いでスタートし始めている。

 

去年の今頃は、P2Pサイト「ezPeer」とIFPI(国際レコード産業連盟)との間で起きた著作権侵害紛争事件に熱い視線が注がれるなか、地方裁判所はezPeerに勝訴の判決を言い渡した。当然、IFPIは直ちに控訴した。ezPeerは初勝利を勝ち取ったが、その後、どうにかIFPIと和解ができないかと解決の道を模索し続けてきた。ついにその努力が実って、交渉成立に漕ぎ付けた。レコード会社から許諾を受けたezPeerは昨日、新しい会社「ezPeer plus」を設立して、近く合法的なP2Pファイル交換サービスを始めると発表した。P2Pサイトで、レコード会社とライセンス交渉が成功したのは、今のところezPeerだけ。

 

ezPeer plusのプラットフォームを通じて音楽ファイルを交換しようとするときは、その音楽ファイルの出所を問わず、レコード会社が利用を許諾した音楽著作物に該当すれば、自由に交換することができるが、リストに入っていないファイルは自動的に交換の対象から外される。ezPeer plusは交換の回数に応じて、事前に約束した料率でレコード会社、作詞作曲のアーティストと公開放送権所有者に使用料を支払う。

 

一方、国内で会員数が最も多いといわれるP2Pサイト「KURO」が刑事告訴された裁判の第一審で敗北を喫し、サイト責任者とユーザー一人に有罪判決が出ている。これを受けて、IFPIとの和解交渉の動きも加速されそうである。市場関係者では、近いうちにKUROからこのことについて何らかの発表があるだろうとの見方を強めている。消息筋によると、台湾最大手通信会社「中華電信」傘下の投資会社と大手金融持株会社が推定4億元の資金を集めてKUROに増資し、レコード会社との交渉を資金面で援助する話しが業界で広がっているという。

 

KUROは対外的には、控訴すると強気な姿勢を示しているが、合法的なオンライン音楽配信サービスが相次いでスタートしたのを等閑視すれば、せっかく築きあげてきた最大手の地盤が揺らぐとの危惧に加え、双方ともこれ以上裁判を長引かせたくないとの思惑が一致したことから、和解交渉を急いだだろう。早ければKUROは今年下半期にも合法的な音楽配信サービスを始める見通しが強くなり、そうとなれば、台湾の音楽オンラインサービスは全面的に合法化されることになる。(2006.06

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