伝統行事をとった写真に著作権を認めない? 撮影学会が主催団体に抗議
J060823X3 2006年9月号(J85)
台湾東北部にある宜蘭県で行われる伝統行事、「搶孤」訳注の写真を主催団体が勝手に広告の看板に使い、写真をとった人から著作権侵害を訴えられたことを背景に、主催団体は今回、わざわざ「搶孤」が行われる会場に写真家や写真愛好家が「搶孤」をとった写真について、「祭典委員会(主催団体)の許諾を得ない限り、撮影者は著作権を主張することができない」と記載した掲示板を立てていたことで、物議を醸している。
(訳注:牛の油をたっぷりつけた、高さ15階相当の竿の最上に掲げてある幟旗を誰が一番先に上り詰め、それを手中に収めるかを競い合う。宜蘭県頭城烏石港で行われる「搶孤」の幟竿の高さが全国一といわれている。旧暦7月は鬼の月という言い伝えがあり、7月1日に鬼門が開き、「搶孤」は7月30日、つまり鬼門が閉まる日に行われる。)
主催団体の身勝手な行動に撮影学会は直ちに行事の開催に補助金を出した宜蘭県政府に抗議を申し込んだ。これに対し、県庁法規課から、著作権法により、主催団体にはこのような制限をする権利がないとの見解が示されている。(2006.08)