特許技術競売、順調な船出 取引市場に活水、新しい情報ネットワークで
J060906X1 2006年10月号(J86)
先日、今年第二回の「全国特許権合同譲渡・販売活動」(オークション)の幕を開いた工業研究院は、「特許取引ネットワーク」が立ち上がったことを発表した。特許競売に関する情報や入札など取引の流れを統合して、オンデマンドで電子化したサービスを提供することにより、特許情報の検索や入手のしやすいプラットフォームとして売り手と買い手に活用していただくという。
特許取引ネットワーク(patentauction.itri.org.tw)は、特許技術移転の活動が企業価値の向上にプラスという認識が浸透しつつあるのを新しいビジネスチャンスと捉え、工業研究院が立ち上げた特許取引サービスである。過去三年間の全国特許販売活動の内訳を分析した結果、電子情報通信やオプトエレクトロニクス分野に関する特許技術の販売・譲渡はおよそ全体の八割を占めていることが分かる。世界市場シェアを増大させながら、限られた市場パイを勝ち取るには戦略的に特許技術が必要不可欠であり、またあらゆる面で競争相手を負かす有力な武器でもあるとの考え方が産業界に広がっている。
2003年、工業研究院が産業界の研究開発成果運用の多角化に協力し始めて以来、オークションで落札された特許権が480件、パテントポートフォリオの専用実施許諾が470件、特許技術の戦略的導入が350件という実績をあげている。
科学技術基本法の施行後、研究機関や大学での研究成果が、たとえそれが政府の助成金があったから技術開発に成功できたとしても、その成果に関する特許権を手に収めることが認められるようになった。これをきっかけに、約8000件の特許を保有している工業研究院は、どのように特許の財産化、そして高付加価値化した後に効率的な活用を図れるか、その方法を探った。同研究院が音頭を取って特許権の販売活動を始めてから3年経って、台湾における特許権取引市場は次第に形を整えてきている。(2006.09)