オンライン特許市場の米yet2.com、台湾知財サービス業者と協力体制 中国進出の足がかりに
J060905X1 2006年10月号(J86)
企業がもつ特許技術をインターネット上で取引する市場を運営する米yet2.com社は先日、「2006年台北国際発明及び技術取引展覧会」の参加に台湾を訪れた際、台湾の知的財産サービス業者4社と協力の覚書きを取り交わしたことが明らかにされた。けん引役をつとめたのが展覧会の主催機関の一つである台湾技術取引統合サービスセンター(TWTM)。yet2.comが運営するサイトに登録してある一万件以上に及ぶ特許技術の買い手や利用を希望する台湾企業はないか、同4社を通じて取引相手を探すのが表向きの目的だが、目指している標的はやはり中国市場。中国市場に打って出る足がかりとして台湾業者との協力体制が有力だという思惑があったからである。
企業の研究開発に対する投資の回収を最大限にすることをモットーに、1999年に米デュポン社らの出資で設立されたyet2.comには、トヨタ自動車や日立製作所、東芝、シャープ、NTTドコモ、旭硝子、NEC、フィリップス、ボーイング、シーメンズなど自社所有の知的資産を効率よく活用しようとする各国の大手企業が多数参加している。台湾企業が持っている米特許数は米、ドイツ、日本に次いで世界第四位だが、企業に有益な財産として活用されていない休眠特許がほとんどだといわれている。それだけに、異なる業界の売り手と買い手を結びつける、知的財産の国際的な取引市場を提供しているyet2.comへの期待も大きい。(2006.09)